【馬医金満のマネー通信】楽天、無印良品が米国市場から撤退 その原因はなんなのか?

J-CAST会社ウォッチ / 2020年8月8日 11時45分

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経営統合、最初はうまくいっていたのに……

みなさん、こんにちは。馬医金満です。

最近、米国市場から日本企業が相次いで撤退しているようです。その背景には、なにがあるのか――。そのあたりを、報道から拾ってみました。

「Rakuten COM」って、なんだ?

この1週間(2020年7月27日週)に、楽天と良品計画が相次いで米国市場からの撤退を発表しました。

楽天は、今後2か月間をかけて米国のEコマース(電子商取引)事業を閉鎖するようです。2010年5月、子会社のラクテンUSAを通じて2億5000万ドルでネット通販サイトのバイ・コムを買収し、本格的に米国市場に進出した楽天。1997年に創業したバイ・コムは、楽天が買収した当時、米国を中心に1400万人の顧客を抱えており、1000社以上の企業が出品するマーケットプレイスを展開していました。

2013年1月には、バイ・コムのサイト名を「Rakuten COM(ラクテン・コム)」に変更しました。しかし、現地ユーザーに知名度のあったサイト名を、聞き慣れない名前に変更したことで、米国内のネット通販事業の業績が低迷していったといわれています。

もちろん、そこには世界最大のECサイト、Amazon.comの存在があったこともあるでしょう。

雑貨店の「無印良品」を運営する良品計画も、米連結子会社の「MUJI U.S.A. Limited(ムジUSA)」が7月9日(現地時間)、連邦破産法11条(日本でいう民事再生法に相当)を申請して経営破たんしたと、発表しました。負債総額は6400万ドル(約67億円)。ムジUSAは法的手続きを経て、再建を目指すことになります。

2007年10月に米ニューヨークのマンハッタン、ソーホー地区に1号店をオープンした「無印良品」(ムジUSA)ですが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、3月中旬からの全18店舗が営業停止に追い込まれ、業績が悪化していたことや高い賃料などの高コスト経営、またコロナ禍で市場環境の先行きが不透明なことなどから、事業の継続を断念したとみられます。パンデミックの影響による倒産は日本の小売大手では初めてだそうです。

日本企業のPMIは大丈夫か!?

海外からの撤退がささやかれている日本企業は、小売業ばかりではないようです。たびたび話題のぼるのが、日本郵政が2015年に64億9000万豪ドル(約6100億円)で買収したオーストラリア流通子会社のトール・ホールディングスの売却です。

日本郵政はトールを国際物流事業のプラットホームと位置付け、グループの成長の柱とする計画でした。ところが、トールの業績が落ち込み、207年3月期には約4000億円の減損損失を計上したのです。それ以降、売却されるというニュースが後を絶ちません。

今年4月にも、オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー紙が、日本郵政によるトール売却の可能性について報じており、日本郵政の増田寛也社長がトールの再建について、外部アドバイザーから意見を聞いていることを明らかにしたうえで、「トールの売却は検討していない」と、メディアの売却報道にクギを指したほどでした。

いずれにしても、日本企業が海外事業を縮小、撤退したり、買収した海外子会社を手放したりするケースは、今後も増えてくるのではないかと思っています。

これらのニュースから、日本企業は買収後のPMI (Post Merger lntegration)がうまく機能していないのかなと感じています。

PMIとは、事業買収後の統合作業のことをいい、「M&Aの成否を握る」ともいわれています。企業にとってM&Aを実行する意味は、統合のシナジー効果を早期に実現し、企業価値を向上させることにあります。PMIの具体的な業務としては、両社の戦略、販売体制、管理体制、従業員の意識、情報システムなどのすべてを統合させることがあげられます。

日本の企業はこのPMIを軽視する傾向にあり、社内でPMI用の人材を置いてない、あるいはコンサルティング会社に依頼せずに、自己流で進めて失敗しているようなところがあるように見受けられるのです。なんだか、ちょっと心配です。

では、また!(馬医金満)

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