東京の一極集中、終わりの始まり? 「住みたい街ランキング」にも異変

J-CAST会社ウォッチ / 2020年9月19日 11時45分

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東京都は7月に再び「転出超過」

新型コロナウイルスの影響で「密」を避ける動きが鮮明化したことやテレワークによる働き方が広がっていることから、東京都の人口は転出超過の傾向が続いている。

コロナ禍で行われた「住みたい街ランキング」の調査でも、消費者の郊外志向が強まっていることが示された。テレワークの拡大を先途と、首都圏からの移住を促す地方自治体の動きも活発だ。これは東京一極集中の終わりの始まりなのか――。

「感染第2波」で転入者が大幅に減少

総務省が2020年8月27日に明らかにした住民基本台帳人口移動報告によると、7月の東京都への転入者は2万8735人で、前年同月より4203人減った。一方、転出者は3万1257人(前年同月比482人減)。転入者が大幅に減少したことで転出超過になった。

新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が出ていた5月に、東京都は、比較が可能な2013年7月以降で初めて転出超過を記録。緊急事態宣言が解除された6月には転入超過に戻っていたが、感染者が増えた7月はまた転入者が減った。

関東地方の他県をみると、神奈川県で1万5284人に対し転出1万5963人と転出超過だったほかは、埼玉県、千葉県の「東京圏」も茨城、栃木、群馬の各県も転入者が転出者を上回った。

感染予防のためのテレワークの拡大もあって、過密都市と呼ばれる東京での「密」を避ける気持ちが強まっているのは間違いないなさそう。とくに若年層を中心に住まい選びについて意識の変化が起きている。

内閣府が2002年6月21日に結果を公表した「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、地方移住のへの関心の高まりは20代で最も高い。「関心が高くなった」「関心がやや高くなった」を合わせた割合は全体で15%だったが、20代では22.1%。他の年代別では30代20%、40代15.2%、50代以上10.2%だった。

さらに20代を地域に分け「東京23区」「東京圏」「大阪・名古屋圏」でみると、東京23区に住む20代の35.4%が「地方移住への関心が高まっている」と答えた。

「流山おおたかの森」が3位に

新型コロナウイルスがもたらしたとみられる「脱東京」のトレンドは、不動産会社が消費者調査でランク付けした「住みたい街」の調査でも明らかだ。

中古マンションのリノベーション事業「ゼロリノベ」を展開する株式会社groove agent(通称ゼロリノベ)が8月に行った調査では、おなじみの街の名前に混じって意外な地名がランクインしている。

調査は20~40代のファミリー層1000人を対象に、8月24、25日にインターネットのアンケートを実施。9月12日に公表した。

この調査の「住みたい街(駅)」の1、2位は「横浜」「吉祥寺」の常連が占めたが、3位は「流山おおたかの森」。流山おおたかの森は、千葉県流山市にある新規開発のエリアで、5年ほど前から人気上昇中。つくばエクスプレスなどで都心と結ばれアクセスも良好だ。テレビの人気番組などでも取り上げられ知名度も上がっている。

しかし、コロナ以前の他社の調査では49位で、コロナをきっかけに注目度がグンと高まった。「ゼロリノベ」調べの4~10位は、鎌倉、恵比寿、中目黒、町田、柏、大宮、みなとみらい、浦和の順で、郊外の地名が並ぶ。

一方、住宅・不動産ポータルサイトの「LIFULL HOME'S」で知られる株式会社LIFULLがサイトのユーザーを対象に、4~8月に「コロナ禍での借りて住みたい街ランキング」では、水戸、本厚木、宇都宮、葛西、大宮がトップ5。水戸や宇都宮などが上位に入ったのは、東京から近すぎず遠すぎない場所でしばらく借りて住み、コロナ禍の今後を見極めようとする意向の反映とみられる。

住民基本台帳人口移動報告で住民票の転入届に基づき、国内の人の動きをモニターしている総務省では、

「今後も新規陽性者数の増減によっては、新規陽性者数の多い地域への移動を抑制する動きが起こる可能性が考えられる」

としている。

出口が見えないコロナ禍。東京一極集中の終わりの始まりを加速することになるのか――。政府は東京一極集中是正を目指して地方創生を進め、東京都区部の私立大学の定員厳格化や、省庁・企業の地方分散を推進してきたにもかかわらず、東京を中心とした首都圏への転入超過が続いていた。

みずほフィナンシャルグループ系列のシンクタンク、みずほ総合研究所は2020年6月に発表したリポートで、東京圏へ転入超過数の急減について「地方創生への大きなヒントとなりそう」と指摘した。

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