空いた時間で働ける「ギグワーク」が増加、マッチングシステムが登場 一方で働く人の「身分」が問題に?

J-CAST会社ウォッチ / 2020年10月27日 19時15分

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空いている時間を利用して働く「ギガワーク」が増えている(写真はイメージ)

オンデマンドによる人材サービス事業を行っている株式会社グレフ(東京都新宿区)は、「空き時間に働きたい」という求職者と、急に人材が必要になった企業との橋渡しになる採用マッチングプラットフォームを開発し、運用を開始した。2020年10月26日の発表

新しいマッチングプラットフォームの名前は、社名と同じ「グレフ」。求人掲載の費用や登録費用などはなく企業が成果に応じて料金を払うシステムで、採用した求職者の交通費を含む報酬額の30%に相当する額が利用料になる。企業は人材採用で広告費や紹介手数料などのコストが増大しており、グレフの利用でその抑制が可能になるという。

増えるギグワーカー人口

グレフは、サイトで求職者が働きたい時間を検索し、その時間に働いて欲しい企業とをマッチングするシステム。株式会社グレフによる支払い代行を使って即日払いができる。企業は求人をすぐに掲載できるが、応募者選定機能と即マッチング機能の選択が可能で、採用ニーズの別にも対応している。

緊急事態宣言を経ていまでは政府の旅行支援や外食支援のキャンペーンが盛況とはいえ、新型コロナウイルスの影響による、いわゆる巣ごもり需要はなお高く、グレフによるとフードデリバリーなどの配達、ネット販売や物流業界で人手不足が増えているという。一方、コロナ禍の影響で仕事を失った人も多く、厚生労働省の9月の発表では、1月末から9月までの間に解雇や雇い止めで約6万人が仕事を失ったとみられる。グレフはこうした状況をみてマッチングプラットフォームの開発に取り組んだ。

企業や個人から単発の仕事を請け負う「ギグワーク」は、働き方改革の流れの中で2019年ごろから広がりはじめ、新型コロナウイルスの問題をきっかけに増えているとされる。「ギグワーク」という言葉が使われる以前から、スキルを使って単発の仕事をするフリーランスの人たちがいるが、社会が変化するなか、インターネットの進化やスマートフォンの普及で、単発で請け負える仕事の種類や幅が拡大した。

いまのギグワークの代表例は、フードデリバリーサービスのウーバーイーツなど配達の仕事だろう。ギグワークでは、会社に勤務しながら、あるいは他に正業も持ちながら副業として営む人も少なくない。

日本経済新聞電子版(2020年6月23日付)のギグワークについての記事によると、単発の仕事を外部委託したい企業と、個人を専用サイト上で仲介するクラウドソーシング大手4社の主要サイトの累計登録者数は、5月末時点で700万人。2019年末と比べて約15%増えており、フードデリバリーなど、その専業会社から仕事を請け負っている人たちを合わせれば、ギグワーカー人口はさらに多くなる。

ギガワーカーは個人事業主か?

ギグワーカーが増えたことで、新たな問題も浮上している。それは、フリーランスのギグワーカーが個人事業主として仕事を請け負っており、業務中の事故などについても個人がリスクを背負うことになり、被害者がいた場合には、補償がされない可能性もある。

たとえば、10月23日に大阪市の60代の女性がウーバーイーツの配達員の自転車に追突されけがをしたとして、配達員とウーバーイーツを運営するウーバージャパンに対して損害賠償を求める訴えを起こしたと、メディアが報じた。これまでもウーバーイーツの配達員の事故はあるが、こうしたケースでの運営会社側は、「配達員は個人事業主であり、雇用関係にない」との主張だ。

ギグワークが日本より進んでいる米国では、こうした問題の解決への動きが広がっており、カリフォルニア州では2019年11月、ギグワーカーを保護する法案が成立。一定の基準を満たしていないギグワーカーは個人事業主ではなく、企業の「労働者」とすることなどを内容とする法律が2020年1月から施行されている。

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