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「AKB総選挙」復活させるべき? 松井珠理奈に質問した結果「簡単には言えません。でも...」

J-CASTニュース / 2021年2月8日 11時0分

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SKE48の松井珠理奈さん。選抜総選挙の意義についても語った

【松井珠理奈さん「卒業」1万5000字インタビュー(3)】

SKE48の松井珠理奈さん(23)にとって1年ぶりのシングルとなる「恋落ちフラグ」(2021年2月3日発売)は、「卒業シングル」で、12年間にわたるアイドル生活の集大成でもある。珠理奈さんのアイドル人生のハイライトのひとつが、18年に行われた「選抜総選挙」で1位に輝いたことだ。

インタビューの第3回では、アイドル人生でうれしかったことやつらかったことを振り返ってもらいながら、19、20年と2年連続で開催が見送られている選抜総選挙の意義について語ってもらった。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集部 工藤博司)

総選挙で負けて「前田敦子さんの気持ちが分かった」

―― デビューからの12年間のアイドル人生を振り返っての感想を聞かせてください。12年は長かったですか、短かったですか。

松井: 難しいですね...。あっという間なのかもしれないですね、意外に。最初の頃は本当に余裕がなくて、何もわからないまま、目の前にあることをとりあえずやらなきゃと、あっという間に1日が過ぎていった感じですね。

―― そのような期間は、どれくらい続いたのですか。

松井: うーん、どうですかね...。やっぱり(12年3月から15年12月にかけて、SKE48とAKB48を)兼任していたあたりぐらいまでは、ずっと大変だった印象で。SKE48に専任してからは集中できた、という感覚はあります。その後もAKB48の選抜メンバーとして活動することはありましたが、やはり自分のグループのことを考えて、気持ち的にも、何か一途に活動できたのがよかったと思います。兼任しているときはAKB48も好きだけど、なんかちょっと浮気してるみたいな気分。(笑) だから、気持ちとしては複雑でした。AKB48のファンの方や先輩方はすごく温かく迎えてくれて嬉しかったし、反対に当時のSKE48のファンの方の中には、少し悲しい言い方をする人もいたり、他のメンバーとの距離も少し感じたりしていたので、SKE48専任になってからは、気持ちの面で少し楽になった、というのはありますね。

―― 兼任で仕事は倍になるし、周りから色々言われたりするのは、つらかったと思います。では、12年間で一番しんどかった、つらかった出来事をあえて挙げるとしたら、何でしょうか。

松井: しんどかった、つらかった...、結構ありますけど。(笑) 難しいですね。色々ありますが、分かりやすいものでは、選抜総選挙で(松井)玲奈ちゃん(29=15年卒業)の方が順位が上だったときはつらかったですね(編注:11年の選抜総選挙では珠理奈さん14位、玲奈さん10位。総選挙3回目にして初めて珠理奈さんが玲奈さんの順位を下回った)。SKE48のセンターとして、(玲奈さんよりも)先にAKB48の選抜にも入って活動してきたという経緯もあるので、その時に(大島)優子さん(32=14年卒業)が1位になったときの前田敦子さん(29=12年卒業)の気持ちも分かった気がします(編注: 多くのシングル曲でセンターを務め、09年の選抜総選挙で1位だった前田さんは、10年は大島さんに敗れて2位になった)。自分がずっと守ってきたものがあるけど、そうやって結果として表に出てしまうのがやっぱりつらいな、その後自分がセンターを務めるとき、どういう気持ちで臨んだらいいのかな、といった気持ちはありましたね。

―― ずっとSKE48で一番目立つ場所にいたのに、玲奈さんの方が自分の順位を上回った。それでも自分がセンターを務めることの葛藤ですね。それは何かのきっかけで解消されるものなのですか。

松井: ファンの方たちは「何位でも珠理奈は珠理奈だし、僕たちにとっては何位でも1位だよ」と言ってくれるので、そういった声に助けられました。周りのメンバー、特に同期のメンバーは「私達は珠理奈が何位であってもSKE48のセンターだってずっと思ってるから」という声を多くかけてくれて、すごく支えになりました。

―― 周りのメンバーも、珠理奈さんの心境を察していたのかもしれませんね。

松井: 当時の自分からすると「お姉さん」が多かったこともあって、みんなが支えてくれました。

「僕は引きこもりだったんだけど、握手会に行きたくて家を出ました」

―― つらかったこととは逆に、アイドルをやっていてよかったことは、どんなことですか。

松井: よかったと思うことは本当にいっぱいありますが、これも難しいですね...。握手会でファンの方からかけられた言葉には、印象的なものがいくつかあります。昔は結構強がって、自分の弱いところを見せたくないと思っていたのですが、ファンの方がそれに気づいて「もっとファンに甘えていいよ」とか「弱音吐いていいよ」とか言ってくれたときに、少し考え方が変わりました。「もう少し力を抜いて楽しんだ方がいいのかな」と思えて、ファンの方の言葉で自分が変われた瞬間は、すごく嬉しかったです。逆に、私たちが活動することでファンの方の人生も変えていることがわかった瞬間も嬉しいです。「僕は引きこもりだったんだけど、珠理奈ちゃんのことを好きになって握手会に行きたくて家を出ました」という手紙をいただいたことがあるのですが、自分がアイドルやるまで、まさか人の人生を動かせるとは思ってなかったんですよ!だから、実はそんなに力になれているんだとわかった瞬間は、すごく嬉しかったですね。

―― アイドルの方は、よく「みなさんを笑顔にしたい」とおっしゃいますが、実際に人の人生を変えたというエピソードは、なかなか多くありません。やはり、ファンのみなさんとの交流が、アイドルの一番の魅力でしょうか。

松井: アイドルでなければ、そういった部分はあまりなかったと思うので、アイドルでよかったと思いますね。

―― 19、20年と2年連続で開催が見送られていますが、AKB48グループで最大のイベントだったのが選抜総選挙です。18年に1位になった珠理奈さんにとって、総選挙とはどういう存在でしたか。「つらいけどやらなければいけない」のか、それとも「前向きにやりたい」のか、どのように受け止めていましたか。

松井: 「前向きにやりたい」という感じではありませんでしたね...正直。順位を付けられるというのはすごく嫌だし...と思っていました。でも、何だろうな...、その1年間に対する通知表のような感じで、ファンの方から評価をもらうような感覚でしょうか。「嫌だな」と思うことが多いですが、でも結局やってみたら、ファンの方との絆は深まっていったと感じました。ですから、自分のために出るというよりは、ファンの方も一緒に戦ってくれているから...、というのはありました。

―― 総選挙に臨むとき、むしろSKE48を背負うという意味合いもあったと思いますが、ファンとの繋がりを確認するための、負担が大きいけれども重要な機会でもあった、ということですね。

松井: そうですね、そうだと思います。

―― 総選挙はここ2年間開催されてきませんでした。コロナ禍を踏まえると、21年も先が見通せません。ただ、今のお話からすると、AKB48グループにとって、総選挙は21年には開催された方がいいと思いますか。珠理奈さんは卒業生、OGという立場になると思いますが、いかがですか。

松井: どうなんでしょう...。それは難しいですね。本当に人によりますよね。半々というか...、選挙を「やってよかった」と思うメンバーと「やらない方がよかった」と思うメンバーは、絶対生まれるわけじゃないですか、順位がつくということは。勝つ人も負ける人もいるということですから、難しいです。「やった方がいい」とか「やらない方がいい」とかは簡単には言えません。ただ、総選挙をやらなくても、実力や人気を示すデータは、他の場所でも出ていますよね。(SNSや動画に寄せられる)コメント数やグッズの売り上げ、握手(編注:「個別握手会」と呼ばれる形式では、事前にどのメンバーと握手するかを指定した上でCDを予約するため、メンバーごとの売り上げが可視化される)といった「見える部分」で、総合的に近くで見てくれてる人たちが、誰か1人を決めて特定のセンターを作った方がいいと思います。

センター固定しないと「みんなどんどん卒業していって、誰か分からない」

―― 投票以外の別の指標で実力や人気を可視化するということですね。

松井: 私は「センターは固定すべき派」なので...。やはり「グループの顔」がいないと、どのグループが(テレビ番組などに)出ているか分かってもらえません。そういう声は、すごく多く耳にしました。AKB48にしても「みんなどんどん卒業していって、誰か分からない」って。SKE48もそうですが、そのような指摘を受けることが多いということは、やはりセンターを固定していないからだと思います。

―― 難しいところですね...。AKB48の最新シングル「失恋、ありがとう」(20年発売)のセンターは16期生の山内瑞葵さん(19)ですが、知名度がどの程度浸透したかとなると、なかなか厳しいところです。

松井: 小栗有以ちゃん(19)がやったり岡田奈々ちゃん(23)がやったり(編注:小栗さんと岡田さんは、18年に発売されたAKB48の楽曲「Teacher Teacher」「ジャーバージャ」で、それぞれセンターを務めた)、いろいろなメンバーにチャンスが来るのはすごくいいことです。ですが、印象を残すということがすごく大事だと思うんですよね。過去の例も、やっぱりみんなそうじゃないですか。前田(敦子)さん(29)がいたり(大島)優子さん(32)、(渡辺)麻友さん(26)がいて、SKE48だったら私がいたり玲奈ちゃんがいたり、NMB48だったらさや姉(山本彩さん=27)、みるきー(渡辺美優紀さん=27)がいて、欅坂46(20年に「櫻坂46」に改名)だったら平手(友梨奈)ちゃん(19)とか...。そういう方が、グループの印象がつきやすいですよね。

―― すでに熱心なファンになっている人以外の、一般のみなさんにとっては、特にそうかもしれませんね。

松井: そうです。この子だったらSKE48だとかAKB48だと分かるような人を作ることの方が大事だと私は思います。

―― 18年に上位にランクインしたベテランメンバーに聞いても、総選挙への考え方は様々でした。8位だった大場美奈さん(28)は19年10月のインタビューで、20年に総選挙があるとすれば「出ます」と断言し、いわゆる「神セブン」入りを目指すとのことでした。2位だった須田亜香里さん(29)は20年1月のインタビューで、「1人1票になるとか、投票条件次第だと出るかもしれないけど、今までと同じ方法だったら出ないかな」「今の私で、あの投票条件で見られる景色は現状見尽くしたなと思っています」と話していました。

松井: (興味深そうに)面白いです...!

18年の「世界選抜総選挙」1位で「海外も視野に入れて活動したい」

―― 現時点では珠理奈さんは「最後の1位」。やはり、「1位から見える景色」というのは、それ以外の順位からの景色とは違うものですか。

松井: どうなんですかね...。48グループにいるからには、やっぱり総選挙で1位になりたいという目標があったので、それを達成できた。最後は、それだけだったんですよね。自分の中では、もう「自分のこと」でした。それ以外の時は「グループとしてはこうなりたい」といったことをずっと思ってきましたが、あまり自分のこと考えてやってきませんでした。総選挙のときだけ、唯一自分のことを考えるというか、自分のファンの方と一緒に頑張るという感じだったので、それが達成できて個人的には悔いはないかな、というのはすごく感じた瞬間でした。しかも18年は(海外の姉妹グループも参加する)「世界選抜総選挙」で、今までとまた少し違ったということもあって、もっと自分は海外も視野に入れて活動したいと思うきっかけにもなりました。「総選挙って何位になったからよかった」「何位だったから終わり」だけではなく、総選挙がきっかけになるというところが、このイベントのすごくいいところだと思います。

(インタビュー第4回に続く。2月9日掲載予定です)


松井珠理奈さん プロフィール
まつい・じゅりな 1997年生まれ、愛知県出身。2008年にSKE48の1期生としてデビュー。直後にAKB48のシングル「大声ダイヤモンド」に前田敦子さん=12年卒業=とともにダブルセンターに抜擢。SKE48でも多くの楽曲でセンターポジションを務め、松井玲奈さん=15年卒業=とともに「W松井」「JRコンビ」と呼ばれ、グループの顔として活躍した。12年から15年にかけてAKB48と兼任。18年に行われた「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」で初めて1位に選ばれた。20年2月にSKE48からの卒業を発表している。

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