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高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ ワクチン2回接種しても?尾身会長「バッハ氏再来日批判」に抱く疑問

J-CASTニュース / 2021年8月26日 18時32分

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尾身茂会長

2021年8月24日から、東京2020パラリンピックが始まった。先日のオリンピックでも見られたが、相変わらず、パラリンピックを今の新型コロナウイルス感染者増と結びつけた批判が出ている。

前回の本コラムで、今回の感染者増とオリンピックは関係がないことを定量的に説明した。その上で、日本で言う「自粛」の意味などを説明し、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長の銀座散歩は、現行ルール上問題ないことをいった。

今回、バッハ会長が再来日したが、それについても批判が出ている。

日本も導入したワクチンパスポート

25日午前の衆院厚生労働委員会での、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長の発言が典型だ。立憲民主党の尾辻かな子氏からの質問に答える上で、「人々にテレワークを要請してる時に、(バッハ会長が)また来るので、バッハ会長の挨拶が必要なら、なぜ、オンラインでできないのか」と疑問視。「国民に(不要不急の外出の自粛を)お願いしているんだったら、オリンピックの会長、なんでわざわざ来るのか」と批判した。

25日午後の衆院議院運営委員会でも、西村康稔経済担当相も、「国民感情や国民の意識・心理に与える影響も配慮しながら対応を、私の立場からお願いしたい」と発言している。

バッハ会長は既にワクチンを2回接種している。もちろん、ワクチン接種者でも感染リスクはあるが、未接種者と比べるとはるかに低い。世界中の国で、海外渡航用のワクチンパスポートを導入している。日本も7月末から導入した。さらに、公共施設や飲食店入店において、ワクチン接種済み証の提示を求める動きも世界に広がっている。

今頃になって「臨時のプレハブ施設でもいい」

尾身会長は、ここ1年半くらい感染者の拡大を防ぐために行動制限一本槍だった。1年以上前から、医療体制強化のための緊急包括支援交付金や新型コロナ患者入院確保のための緊急支援事業などの予算は確保されていたが、未消化であったり、補助金を受けていても実際に患者受け入れを怠ったりして、医療の供給体制は強化されていない。この点について、尾身会長は1年以上前には何ら発言をせずに、今頃になって「臨時のプレハブ施設でもいい」といっているのはかなり無責任だ。

日本でもワクチン接種はかなり進んでいる。24日時点で、少なくとも1回接種は国民の54%、2回接種も43%になっている。となると、政府、尾身会長もワクチン接種者をどのように社会の中で活用すべきかを考えたほうがいい。民間のソフトバンクは、プロ野球でワクチン2回接種者に対し、9月2~5日の4試合を対象にチケット販売する(各試合の動員上限は5000人)と発表した。

ワクチン接種者と未接種者を同一視するよりも、区別して合理的に考え、社会を回すことを考えたらどうか。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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