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自民党総裁選 内向きの議論いつまで続ける

読売新聞 / 2024年8月29日 5時0分

 「裏金」作りをしていた議員を公認するかどうかなど、自民党はいつまで内向きの議論を続けるつもりなのか。

 総裁選は事実上、首相を決める機会だ。一国の指導者を目指す以上、総裁候補となる議員は日本の針路を示し、具体的な政策を論じる必要がある。

 総裁選には、小林鷹之前経済安全保障相に続き、石破茂元幹事長、河野太郎デジタル相が出馬を表明した。今後、小泉進次郎元環境相を含め、多くの議員が名乗りを上げようとしている。

 争点となっているのが、派閥の政治資金規正法違反事件への対応だ。石破氏は、裏金を作っていた議員を公認するかどうか「徹底的に議論する」と述べている。河野氏は、裏金の返金を求める考えを示し、党内に波紋を広げた。

 事件に対する厳しい世論を意識し、刷新感を出して党員の支持を集める狙いがあるのだろう。

 だが、党執行部は4月、多額の裏金を作っていた議員を処分したはずだ。この話題を蒸し返すだけでは前進はしない。

 総裁を目指す議員が政治とカネの問題にこだわるあまり、難局にある日本をどう導いていくのか、といった大局的な議論が不足しているのは嘆かわしい。

 日本周辺の安全保障環境は極端に悪化している。中国軍機が初めて領空を侵犯し、中国が今後さらに日本への威嚇を強めてくる可能性がある。北朝鮮の核・ミサイルの脅威も軽視できない。

 日本は防衛力を強化するとともに、日米同盟の抑止力を高めることが欠かせない。豪州などとの防衛協力を深めることも重要だ。

 ロシアによるウクライナ侵略は収束の見通しが立たず、中東の情勢も不安定だ。

 国際秩序を立て直すために日本は何をすべきか。総裁を目指す議員は、明確な外交戦略を示さなければならない。

 内政も難題が山積している。人口が減少していく社会でも経済や財政、社会保障を維持し、好転させていく構想が問われている。

 岸田内閣は内外の課題の克服を目指したが、道半ばだった。

 児童手当の拡充を柱とした少子化対策では、財源の一部を歳出削減で賄う方針を決めたものの、その具体策はこれからだ。2023年度から大幅に積み増している防衛費を賄うための増税は、実施時期が定まっていない。

 こうした積み残しの課題についてもどう決着をつけるか、議論を深めてもらいたい。

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