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無観客の東京から一変、大歓声に「感動しっぱなし」の富田宇宙、変化と成長の泳ぎで銅メダル

読売新聞 / 2024年8月31日 13時10分

男子400メートル自由形決勝に臨む富田宇宙(右手前)(30日、パリ郊外で)=木佐貫冬星撮影

 【パリ=読売取材団】第17回夏季パラリンピック・パリ大会は第3日の30日、陸上男子400メートル(車いすT52)決勝で、佐藤 友祈 ともき(34)(モリサワ)が56秒26で銀メダルに輝いた。この種目で3大会連続のメダル。伊藤智也(61)(バイエル薬品)も1分1秒08で3位に入り、銅メダルを獲得。日本勢歴代最年長のパラリンピック・メダリストとなった。

 競泳の男子100メートル自由形(運動機能障害S4)で鈴木孝幸(37)(ゴールドウイン)が1分21秒71で2位となり、前日の50メートル平泳ぎ(運動機能障害SB3)での金に続いて今大会2個目のメダルを獲得。男子400メートル自由形(視覚障害S11)で、富田宇宙(35)(EY Japan)が4分32秒33で銅メダルを手にした。

スタミナ勝負に「やりがいを感じる」

 大歓声に包まれた会場で富田は泳ぐ前から泣きそうだった。初めて体感する有観客のパラリンピック。「目が見えなくなったけど、おかげで素晴らしい場所に立てた。感動しっぱなしで」。高ぶる気持ちを泳ぎで体現した。

 レース序盤から力をためるように4番手をキープ。上位と大きく差をつけられたが、後半にチャンスが来ると信じていた。折り返しが4番手でも焦らず、泳ぎは崩さない。250メートルを過ぎてからペースダウンした中国選手をかわすと、残り50メートルではテンポを上げた泳ぎで上位を猛追。わずかな差で2位のオランダ選手には届かなかったものの、前回大会に続いて表彰台に上った。

 パラスポーツの価値を伝え、共生社会の実現に役立ちたいとの思いを抱く。だから、「僕はメダルにこだわると頑張れない」。勝利至上主義でなく、パラアスリートとして変化を続け、成長した姿を示すことに重きを置いてきた。35歳になっても400メートルというスタミナ勝負のハードな種目で泳ぐことは、その挑戦の一つ。「多くの人にいい変化を起こしたい。(注目される)この場所は一番やりがいを感じる」。大きな声援に応えるように堂々と泳ぎ切った。

 銀メダルにも届きそうだったが、そんなことを気にする様子もない。「僕に色はどうせ見えないので」。自身の成長ぶりを示す一つの証しが胸元にあるだけで、十分に満足そうだった。(森井智史)

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