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「目の見えない僕だからこそ、何かに挑む意味がある」…男子400m自由形の富田宇宙が「銅」

読売新聞 / 2024年8月31日 12時29分

競泳男子400メートル自由形決勝で力強い泳ぎを見せた富田宇宙選手(30日、パリ郊外で)=木佐貫冬星撮影

 【パリ=波多江一郎】第17回夏季パラリンピック・パリ大会は第3日の30日、競泳の男子400メートル自由形(視覚障害S11)で、富田宇宙(35)(EY Japan)が4分32秒33で銅メダルを手にした。

「可能性を狭めていた」気づいて挑戦の道へ

 「目が見えなくてもやれることを見せられた」。競泳男子400メートル自由形で銅メダルを獲得した全盲クラスの富田選手は、視力を失って何度も挫折を経験したが、パラリンピックの泳ぎで挑戦することの大切さを示した。

 熊本市出身。高校2年で網膜色素変性症と判明し、徐々に目が見えなくなった。名前の通り、将来の夢は宇宙飛行士だったが、「人生終わった」と自暴自棄に。大学で心機一転、競技ダンスを始めたが、一緒に踊るパートナーが見えなくなり、諦めた。

 競泳を再開し、東京パラリンピックを目指していた2021年春、高校生で全盲になりながら、太平洋の無寄港横断に成功した同郷のヨットマン岩本光弘さん(57)と話す機会があった。「宇宙に行きたければ、行けばいいじゃない」と言われ、ハッとした。「自分で可能性を狭めていただけでは」と。

 直後の東京大会で銀銅計3個のメダルを取ったことも自信になった。応援してくれる人がいると知り、「目の見えない僕だからこそ、何かに挑む意味があるのでは」と考え直した。

 宇宙飛行士の気分を味わおうと、航空機の急降下で無重力を体験できるフライトに挑戦。NHK紅白歌合戦にダンサーとして出演し、番組の盛り上げに一役買った。サーフィンも楽しむ。

 無観客開催だった東京大会から3年。「みんなが喜んでくれるのがうれしくて、一生懸命泳ごうと思えるんです」。パリは会場を包む歓声が心地よかった。

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