1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

アフリカ向け医療機器の開発支援、ニーズ把握し成長市場への進出を後押し…まず2社を選定

読売新聞 / 2024年8月31日 15時0分

 政府は、アフリカ向け医療機器の実用化を目指し、日本メーカーに対する開発支援に乗り出す。公衆衛生上の課題解決などに貢献できるよう、現地ニーズに合った製品づくりを進める。経済成長が著しい市場への進出を後押しするとともに、新興・途上国の人たちに適切な医療が届くようにする。2024年度からメーカー2社を4年間程度支援し、25年度にも、2社程度を追加する方針だ。

 開発支援では、日本メーカーの担当者が現地の病院を訪問し、医療現場の視察や医師らへのヒアリングを通して、アフリカ特有の課題やニーズを把握してもらう。専門家らを交えた意見交換会なども実施する。この結果を踏まえ、製品開発に着手し、試作品を現場で使ってもらいながら改良を重ねて実用化につなげる。

 開発サポート機関としては、東京大が参画する。医学や工学などの専門家チームが試作品の開発や事業戦略の策定、訪問先の調整などを支援する。厚生労働省は、現地の保健省や規制当局と連携する。

 第1弾となる支援企業には、東京都内の医療機器メーカーと慶応大発のベンチャー(新興企業)が公募で選ばれた。この医療機器メーカーは、西アフリカ地域で主にみられる皮膚病の治療機器を開発する計画だ。

 日本の医療機器産業は22年の貿易収支が約1・8兆円の赤字となっている。欧米企業との競争が激しく、放射線治療装置などで市場を奪われている。国連によると、22年のアフリカの人口は約14億人で、50年までに約25億人に急増し、世界の4分の1を占めると予測されている。経済成長が著しく、「最後のフロンティア」とも呼ばれる市場を開拓することで、産業競争力を高める狙いがある。

 日本メーカーは内視鏡やMRI、CTなどの画像診断装置に強みを持つが、アフリカ市場への参入には難しさもある。電力や上下水道などのインフラ整備は途上で、日本向けの高機能で高価格な製品はマッチしないケースも多いからだ。このため、現地ニーズに合った製品をいかに開発できるかがカギとなる。

 一方、アフリカは乳幼児や妊産婦の死亡率が高く、マラリアは22年に50万人以上が死亡し、エイズ、結核が流行するなど、公衆衛生上の問題を抱えている。厚労省は「先行する海外製品との差別化を図る。まずは2社を支援してアフリカ進出の足がかりにし、日本の国際貢献にもつなげていきたい」としている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください