震災復興中の大雨被害に住民「災害が続き心が折れそう」…床上浸水した女性「自宅前は海のよう」
読売新聞 / 2024年9月21日 22時49分
震災からの復興に向けて進んでいた石川県・能登半島が再び甚大な被害に見舞われた。記録的な大雨により、各地で河川の氾濫や土砂崩れが発生。住民たちは「災害が続き、心が折れそうだ」と訴えた。
「所々で土砂崩れが起き、戻ってこれない人がいる。土砂に巻き込まれたかどうかはわからない」
21日午前9時頃、輪島市門前町の中屋トンネル付近で突然、斜面が崩落した。工事関係者の男性によると、現場には約50人の作業員らがいた。「一斉に逃げたが、逃げ遅れが出てしまった」
約30人はトンネル内に避難したが、さらに土砂が崩れる恐れがあることから、一時、身動きが取れない状態になった。
同トンネルの長さは1・3キロで主要道の一部となっている。この日は、内部に小さなトンネルを設けて内壁の補修を進めながら車の通行を可能にする技術を用いて、復旧工事が行われていた。
国土交通省によると、同日午後10時半現在、現場では作業員3人と連絡が取れなくなっており、自衛隊などが捜索を続けている。
元日に発生した能登半島地震では、奥能登地方(輪島市、珠洲市、穴水町、能登町)を中心に大きな被害が出た。今月17日現在で、4市町合わせて死者は336人、全壊などの住宅被害は2万5008棟に上る。屋根瓦の上にブルーシートをかぶせて応急処置をした家屋も残る。猛烈な雨はそこに降り注いだ。
地震で準半壊となった能登町の女性(73)宅は、壁のひびから雨水が入り込み、床上まで浸水した。「自宅前は海のように水が広がった。地震もあったのに最悪だ」と声を震わせた。
輪島市の漆芸家の男性(31)は、同市杉平町にある父親の工房に滞在していたとき、山の方から押し寄せてくる濁流を見た。辺り一帯が40センチほど浸水し、父親の工房から30メートルほど離れた場所にある自身の工房は床上まで水に浸ったという。男性は「床は泥まみれで、ぬれた木製の棚などはしばらく使えなくなる」と落胆した。
道路も冠水が相次ぎ、輪島市町野町では「男性が乗った車が流された」と119番があった。男性は車外に出て近くの木や電柱などにつかまった状態で見つかり、救助隊がゴムボートを使って救助した。男性は車で走行中、増水した川の水に巻き込まれたとみられる。当時、川は茶色く濁って道路との境目が分からない状態だったという。
この記事に関連するニュース
-
【能登豪雨】土砂に飲み込まれた家 地震の被災者が入居の仮設住宅では床上浸水 “集落の孤立”も発生
MBSニュース / 2024年9月23日 16時25分
-
能登大雨の死者・行方不明者は計8人に…道路寸断で孤立集落115か所、避難者は1000人超
読売新聞 / 2024年9月22日 22時7分
-
「またこんなことに・・・」石川・能登の被災地を襲った大雨 16河川が氾濫、仮設住宅で床上浸水・・・地震で堤防下がり被害拡大か【サンデーモーニング】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年9月22日 14時14分
-
能登大雨で1人死亡・6人不明…輪島市で4棟が川に流され、4人と連絡取れないとの情報も
読売新聞 / 2024年9月22日 0時19分
-
1人死亡、けが人複数 土砂崩れや停電も 石川・能登北部で大雨
毎日新聞 / 2024年9月21日 17時20分
ランキング
-
1羽賀研二容疑者逮捕…タレント・暴力団幹部・司法書士を結んだ『接点』専門家が指摘する弘道会幹部の狙いは
東海テレビ / 2024年9月26日 21時3分
-
2「満足度No.1」10万円から 広告主に売り込み、消費者庁調査
共同通信 / 2024年9月26日 19時5分
-
3証拠捏造を断罪した無罪判決、捜査機関に衝撃広がる…静岡県警幹部「正直納得いかない」
読売新聞 / 2024年9月27日 0時56分
-
4孤立集落の住民ら、自衛隊ヘリで集団避難…土砂で寸断された道路に「地震の時よりひどい」
読売新聞 / 2024年9月26日 22時13分
-
5両陛下と愛子さま、能登豪雨被害のお見舞いを石川県知事に伝える
毎日新聞 / 2024年9月26日 18時53分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください