大の里2度目優勝「石川の皆さんに少しでも明るい話題を届けられて良かった」
読売新聞 / 2024年9月22日 5時0分
大相撲秋場所は21日、両国国技館で14日目の取組が行われ、関脇の大の里関(24)(本名中村泰輝、石川県津幡町出身、二所ノ関部屋)が2度目の優勝を飾った。結びの一番で大関豊昇龍関を破って13勝1敗とし、後続と2差をつけて千秋楽を待たずに賜杯獲得を決めた。場所後の大関昇進も確実となった。
優勝を決めた大の里関は「地元の思いも背負った」とも口にした。大の里関の故郷、石川県には21日に大雨特別警報が発令されており、「石川の皆さんに少しでも明るい話題を届けられて良かった」とふるさとへの思いを語った。
大の里関は師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の指導を受けてきた。2022年に茨城県阿見町に新設された二所ノ関部屋には「効率よく稽古できるように」という師匠の発想で土俵が2面あり、1メートル92、182キロの恵まれた大の里関の体を支える下半身が鍛えられてきた。
相撲を取る申し合いでは、師匠がまわしを締めて相手をすることも。「基礎が大事」と徹底的にたたきこまれ、まわしの切り方や、現役時代の武器だった押っつけなど、言葉だけでなく体で教わってきた。大の里関も「胸を出してもらって本当にありがたい」と感謝する。鍛錬を続けた結果、師匠が初土俵から約10年かかってつかんだ大関の座をわずか1年半弱でほぼ手中に収めた。
大の里関の出身地、石川県津幡町では2度目の快挙に喜びが広がった。
父の知幸さん(48)は、取組を津幡町の自宅で見守った。優勝を決めた瞬間、思わずテレビの前で「よっしゃー!」と叫んだ。県内では大雨の被害も出ている中、「少しでもうれしい報告ができたらと思っていた。やってくれる男だなと思いました」と息子の活躍をねぎらった。
取組後、大の里関本人から「やってやったよ。最高や」と喜びの電話があり、「おめでとう、気持ちが強くなったな」と伝えた。
町役場ではパブリックビューイング(PV)が開催され、町民ら約300人が「がんばれ!!大の里」と書かれたプラカードを手にし、熱い声援を送った。元日の能登半島地震で自宅が一部損壊したという七尾市の女性(61)は「被災地でも大の里関の話題が多く出ていて、元気をもらっている」と語った。
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