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自民党総裁選 経済成長を主導する構想示せ

読売新聞 / 2024年9月23日 5時0分

 国際的な存在感を再び高めるため、日本経済をどうやって本格的な成長軌道に乗せるか。自民党総裁選の各候補は、大きな構想を示すべきだ。

 長く停滞してきた日本経済は、賃金も投資も増える「成長型経済」へと転換すべき局面を迎えている。経済政策は重要な争点だ。

 小泉進次郎元環境相は、労働者の解雇規制を見直し、成長分野により多くの人材を移動させることで経済を活性化させるという。

 高市早苗経済安全保障相は、戦略的に成長分野などへの財政出動を行うと主張している。

 一方、石破茂元幹事長は、地方創生を「日本経済の起爆剤」と位置づけて、企業の地方進出などを後押しする考えだ。富裕層への優遇を改める必要があるとして、株式の売却益などにかかる金融所得課税の強化にも言及している。

 税制の拡充や給付金の支給などで、賃金や所得を向上させる施策に重点を置く候補者も多い。

 だが、いずれも従来の延長線上にある議論にとどまり、成長を加速させるには物足りない。

 安倍元首相は、「アベノミクス」を推進し、長期にわたる景気回復や雇用増を実現したものの、成長戦略は力不足だった。

 岸田首相は、格差是正と成長を両立させる「新しい資本主義」を提唱したが、具体策を欠いて、看板倒れに終わった。

 今回の総裁選では、日本経済を次の段階へと導く大局的な経済構想が求められている。

 財政の立て直しも課題だ。悪化した財政への将来不安が、国民の消費抑制につながり、経済成長を妨げていると指摘されている。

 だが、林芳正官房長官が、電気・ガス、ガソリン価格の抑制策を続けたいと述べるなど、ほぼすべての候補が、年内に経済対策を講じる考えを明言している。

 物価高にあえぐ低所得者への支援は必要だとしても、安易なバラマキは避けなければならない。

 エネルギー政策も主要なテーマとなる。脱炭素を進める一方で、経済成長を続けるためには安価で安定した電源が不可欠だ。

 河野太郎デジタル相は電力需要の増大を見据え、「脱原発」の姿勢を修正した。ほとんどの候補は原子力発電の活用に積極的だ。

 一方、石破氏は、再生可能エネルギーの推進によって、結果として原発の比率が下がっていくとの考えを明らかにした。

 だが、それで電力の安定供給が図れるのか。説得力のある将来の展望を提示してもらいたい。

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