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重い腎臓病の胎児にブタの腎臓移植、東京慈恵医大が学内審査へ…世界的に注目の「異種移植」

読売新聞 / 2024年9月23日 5時0分

 重い腎臓病の胎児にブタの腎臓を一時的に移植する臨床研究について、東京慈恵医大などのチームが近く、学内の委員会に実施の審査を申請することがわかった。委員会の議論が順調に進めば、年度内にも移植計画を国に申請する。

 同大や国立成育医療研究センターなどのチームによると、移植の対象になるのは腎臓の形成不全で尿を出せない「ポッター症候群」の胎児。妊婦の超音波検査などで判明するが胎児期に有効な治療法がなく、死産や出産直後の死亡例も多い。

 移植手術は出産予定日の約4週間前に行う。特殊な注射針で胎児の背中の皮下に、受精後30日のブタ胎児の腎臓(約2ミリ・メートル)を注入する。出産の数週間後、赤ちゃんが成長して透析治療を安全に受けられるようになれば、ブタの腎臓を摘出する。

 動物の臓器を移植する「異種移植」は国内で前例がなく、移植対象が胎児という点も考慮し、同大では患者団体の関係者や学外の専門家も交えた特別委員会を新たに設置。チームは月内にも審査を申請する計画だ。また市民向けシンポジウムを開き、専門家以外の意見を聞く機会も設ける。研究チームの横尾隆・慈恵医大教授は「早ければ2026年にも1例目の手術を行えるよう準備を進めたい」と話している。

 異種移植は、移植用臓器の不足を補う医療として世界的に注目され、米国や中国ではブタの心臓や腎臓の移植手術が行われている。国内では、厚生労働省の専門家部会が異種移植の実施に向けて、指針の改定作業を進めている。

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