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英語の授業で「デジタル教科書」のみ使用は3%、88%が紙と併用…財務省調査「活用進んでいない」

読売新聞 / 2024年9月23日 5時0分

 小中学校で英語を教える教員のうち、授業で紙の教科書を使わず、「デジタル教科書」のみ使用している割合は3%にとどまることが財務省の調査でわかった。88%の教員が紙とデジタルを併用していた。文部科学省はデジタル教科書の活用拡大を検討しているものの、多くの教員が紙の教科書を支持していることが浮かび上がった。

 財務省は、小中学校の教員983人を対象に、2023年度のデジタル教科書の活用状況を調査し、今年6月に結果をまとめた。

 政府は21年度からデジタル教科書の提供を始め、効果や影響を検証している。文科省は22年8月に「当面は紙と併用」との方針を打ち出している。

 財務省の調査によると、教員が英語の授業で使っている教科書は、「デジタルのみ」が3%で、「紙とデジタルを併用」が88%と大半を占めた。

 併用していると答えた教員のうち、どちらの使用が多いかについては、「デジタルが多い」は35%だったのに対し、「紙が多い」は53%だった。「紙のみ」の9%と合わせると、6割を超えた。

 財務省は「使い慣れている紙の教科書が使用され、デジタルの活用が進んでいないことが推測される」と分析している。

 また、文科省が昨年度に実施した大規模調査でも、同様の傾向がみられた。調査では、教員約5100人を対象に英語や算数・数学など主要教科でのデジタル教科書の使用頻度を尋ねた。英語を担当する教員のうち、「毎回の授業で使用」は18%だったのに対し、「4回に1回未満」の使用にとどまる教員が46%を占めた。

 文科省は今月4日、デジタル教科書に関する中央教育審議会の作業部会の初会合を開いた。紙の教科書をデジタルに置き換えることが検討課題になる見通しで、議論を呼びそうだ。

 佐藤学・東京大名誉教授(学校教育学)は「紙の教科書と同じ内容になっているデジタル教科書を使う意味はない。紙で活用できるものは紙を使い、デジタルはプログラミングなど『学びの道具』として活用すべきだ」と指摘している。

◆デジタル教科書=小中学生に配備された1人1台の学習用端末で、紙の教科書と同じ内容をデジタル化したものを見られる。2019年度から使用が可能となり、今年度は小5~中3の英語と、一部の算数・数学でデジタル教科書が提供されている。

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