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山間部のあちこちで土砂崩れ、海岸には押し流された家屋…能登大雨上空ルポ

読売新聞 / 2024年9月23日 5時30分

曽々木海岸近くで土砂崩れによって流された家屋(22日午後3時39分、石川県輪島市で、読売機から)=古厩正樹撮影

 流木が漂う港は茶色く濁り、海岸には家屋が押し流されていた。22日午後、河川氾濫や土砂崩れの現場が残る石川県輪島市と珠洲市の上空を本社機から取材した。

 午後3時20分頃、輪島港上空に差し掛かった。市中心部を通る河原田川から流れ込んだ濁流で、港と周辺の沿岸は数キロにわたって茶色く濁り、流木や家屋のがれきが漂っていた。海沿いを走る国道249号にも崩れた斜面から土砂が流れ込み、道路が寸断されていた。

 市街地では至る所で冠水の跡が残り、能登半島地震の一部の仮設住宅もまだ泥につかっている状態だった。住宅の屋根は所々、震災後に取り付けたとみられるブルーシートがそのままになっており、地震から復興の途上にある街に追い打ちをかけるような災害に、やりきれない思いがあふれた。

 港の南東約1キロにある塚田川では、流れてきた倒木やがれきが橋でせき止められ、氾濫した様子が確認できた。塚田川の氾濫で住宅と車が流され、複数の人と連絡が取れなくなっている。自衛隊員や消防隊員らが、橋周辺でチェーンソーや小型の重機を使って積み上がった土砂や木を取り除いていた。

 周辺を飛行すると、山間部のあちこちで土砂崩れが発生し、山肌があらわになっているのが目に付いた。輪島市町野地区の曽々木海岸は、山からの土砂で埋め尽くされ、住宅が押し流されたり、乗用車ほどの岩に押しつぶされたりしていた。雨はやんでいたものの風は強く、時折機体は大きく揺れた。

 海岸から15分ほどで、珠洲市街を流れる若山川の上空に到着した。氾濫と濁流のため本来の流路が判然としなかったが、川沿いに立つ住宅が基礎から大きく傾き、いまにも水の中に倒れそうになっていた。

 同市岩坂町付近では、谷あいに広がる田畑が土砂と倒木に閉ざされていた。本来であれば収穫期を迎えた黄金色の稲穂が波打っていたはずだ。一面茶色に染まった田んぼを見ると、胸が締め付けられた。一日も早い復興を祈りながら、現場を後にした。(鈴木経史)

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