1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

韓国発「プチプラ」コスメ、Kポップアイドル活用した広告戦略で存在感…「流行の多くは韓国のSNS発」

読売新聞 / 2024年9月24日 8時4分

 安くていいものを指す「プチプラ」の化粧品を巡って、日韓メーカーの競争が激しくなっている。韓国勢がSNSを駆使して市場で存在感を強めているためだ。消費の二極化が進み、低価格帯商品が注目される中で、日本勢も巻き返しを図る。(岡田実優)

渋谷に旗艦店

 東京・渋谷の新しい商業施設サクラステージに、花王が展開する若者向けブランド「KATE」の旗艦店がオープンした。9月上旬に札幌市から来たという専門学校生の女性(20)は、「プチプラでメイクのアドバイスが受けられるのは珍しい。楽しい」と話した。

 落ちない口紅「リップモンスター」が話題を呼んだKATEは、2000円以下の化粧品が主力で、これまでの販路はドラッグストアが中心だった。

 7月に開業した旗艦店は、美容部員の接客が受けられる。人工知能(AI)が客に合った商品を提案する診断も好評だ。担当者は、「若者が集まる渋谷にブランドの発信拠点を持った意義は大きい」と説明する。

 プチプラを中心に、日本の化粧品市場で韓国勢の商品が浸透してきた。日本輸入化粧品協会によると、化粧品の輸入先は長い間、フランスがトップだったが、2022年に韓国が首位になった。調査会社のインテージによれば、10~20歳代の3人に1人が韓国ブランドの化粧品を買ったことがあるという。

 韓国のプチプラは、はやり廃りが激しく、なかなかブランドが定着しない。共通するのは、日本でも人気があるKポップのアイドルをSNSで活用するといった広告戦略に力を入れていることだ。

 手早く塗れて崩れにくい「クッションファンデーション」は、韓国勢から人気となり、日本メーカーも追随している。日本の大手化粧品メーカーの幹部は、「最近のプチプラ流行の多くは、韓国のSNS発で生み出されている」と打ち明ける。SNSの口コミで、プチプラは安くても品質が良いことが伝わった。

戦略見直し

 富士経済によると、23年のプチプラの国内市場規模は、前年比7・7%増の7099億円となり、全体のほぼ4分の1を占めた。今後も成長が見込まれる。日本勢は近年、訪日客向けを中心に利益率が大きい高価格帯の商品に力を入れてきたが、戦略の見直しを余儀なくされている。

 コーセーが展開するブランド「ヴィセ」は、若者に人気がある男性俳優を起用し、SNSで短い広告動画を配信している。注目を集める「バズり」を狙う。常盤薬品工業のブランド「エクセル」は、利用者が交流できる会員限定のサイトを開設した。メイクの悩みを書き込むなど、情報交換の輪を大きくし、ファンを増やす。

 マーケティング論を専攻する東洋学園大の八塩圭子教授は、「企業は、商品の機能や質を高めるだけでなく、伝え方も求められる時代になってきた」と話している。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください