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「お金の向き合い方は、人間性や本性が出る」……ネットフリックスで人気「地面師たち」の原作者は語る

読売新聞 / 2024年9月27日 15時30分

杉本昌大撮影

「地面師たち ファイナル・ベッツ」 新庄耕さん

 ブラック不動産会社を舞台にした『狭小邸宅』でデビューして10年余り。土地取引を巡る詐欺集団を描く『地面師たち』が、豊川悦司さんや綾野剛さんらが出演し、ネットフリックスでドラマになった。

 「完全に観客な感じですよね。この場面を映像的に膨らませるんだなとか、でも同じことを小説にすると軽くなるなとか。勉強になりました」

 落ち着いた表情で、反響の大きさを受け止める。

 今作は土地所有者になりすまし、代金をだまし取る地面師の暗躍を描く2019年の作品の続編だ。大物地面師ハリソン山中は、シンガポールのカジノで大損した元Jリーガーを仲間に引き込む。IR(統合型リゾート)誘致を見込む苫小牧、北極海航路開通をにらむ釧路……。北の大地で、虚々実々の駆け引きが続く。

 シンガポールや釧路などは実際に訪ね、作品の構想を練った。「シンガポールの繁栄の一方で釧路は寂れ、やるせなかった。同じ北海道でも、リゾート地として栄えるニセコは海外の人が多く訪ね、食事の値段も高い。その対比や矛盾に違和感はありました」

 犯罪の手口などは、取材のほか、新聞や雑誌の記事から知った部分も大きいという。執筆はコロナ禍と重なった。「人と会えず、移動もできない。ストレスが自分の中でうまく圧力になったのかもしれません」と振り返る。富めるものたちが足をすくわれる姿は、何と言っても胸がすく。

 1983年生まれ。大手企業を経てITベンチャー企業を始めた経験がある。多くの作品は、「金」がテーマと絡む。「お金との向き合い方は、人間性や本性が出る。そこから逃れられない小さい人間が好きなんだと思います」と語る。

 娘が昨年生まれ、10か月になった。「納豆食べたときとか、ハハッ。……こんな表情するんだって思いますね」(集英社、1980円)待田晋哉

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