袴田巌さんの半生、元プロボクサーの漫画家がネット連載…再審判決まで「悲劇伝えなければ」
読売新聞 / 2024年9月24日 14時0分
1966年の静岡県一家4人殺害事件を巡り、元プロボクサーで漫画家の森
漫画は2019年から同協会のホームページで連載が始まった。過酷な取り調べや再審開始が確定するまでの経過などを描いている。8月に公開された第8話では、23年の再審開始決定で涙を浮かべる袴田さんの姉ひで子さん(91)を冒頭に登場させた。「喜びだけではなく、再戦(再審)に臨むひで子さんの覚悟を醸し出せるように表情を工夫した」と振り返る。
タイトルは「スプリット・デシジョン」。ボクシングの試合で審判3人の判定が割れたことを示す用語だ。死刑が言い渡された1968年の1審・静岡地裁判決で、3人の裁判官が無罪か死刑かで割れたと、後にその1人が証言したことに由来する。
森さんは大学卒業後、ボクシングに打ち込み、24歳でプロデビュー。通算2敗1分けで引退した。小さい頃から絵を描くのが好きで、今度は「漫画を描きたい」と漫画家に弟子入りし腕を磨いた。出版社の賞で入賞するなどし、画業も軌道に乗り始めた2018年頃、日本プロボクシング協会から執筆を依頼された。
森さんは事件が起きた清水市(現・静岡市清水区)出身。親の話や報道で事件を知ってはいたが、詳細は分からず、供述調書や新聞記事、書籍など大量の資料を必死に読み込んだ。
長時間に及んだ取り調べの様子などを知るにつれ、森さんは「理解していくうちに、ひどい実態に怒りを覚えた」と振り返る。浜松市の袴田さん宅で昼食をともにしたこともあり、ソファで穏やかに過ごす本人の姿と、逮捕から釈放まで48年間にわたる過酷な経験のギャップに、改めて「この悲劇を伝えなければ」と感じたという。
漫画は10話完結で、9話で再審の初公判を、最終話では判決について描く予定だ。森さんは「漫画は事件を理解する第一歩。多くの人に関心を持ってもらえるようにしたい」と語った。
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