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デブリ取り出し装置の引き戻し作業、25日にも完了…福島第一原発2号機

読売新聞 / 2024年9月24日 19時43分

福島第一原発2号機のデブリ取り出し装置の引き戻しの状況を説明する東京電力の担当者(24日午後、東京都内で)

 東京電力は24日、福島第一原子力発電所2号機の溶融燃料(デブリ)の取り出し装置を原子炉格納容器から引き戻す作業について、25日にも完了することを明らかにした。装置先端部に付けた2台のカメラの不具合の原因を調査する。取り出し着手前の段階に戻ることになり、中断の長期化は避けがたい状況だ。

 装置は釣りざおのような形状で、過去に2号機内部でのカメラ撮影で実績があり、今回採用された。格納容器内は放射線量が極めて高いため、原子炉建屋外から遠隔で操作し、カメラの中継映像を見ながら装置先端の爪状の器具でデブリをつかむ予定だった。東電は10日に作業に着手し、14日には爪がデブリに触れた。

 しかし、装置に付けた4台のカメラのうち、先端部の2台が映らなくなる不具合が17日に判明した。装置に内蔵されたケーブルの映像信号などを調べてきたが、原因を特定できず、装置を原子炉外に戻すことにした。

 装置の引き戻しは23日に始め、早ければ25日に格納容器の外側にある「隔離箱」に移す。隔離箱までの距離は約10メートルで、この2日間で5・2メートル移動した。先端部は現在、格納容器の内部と外部の境界付近にある。

 隔離箱は金属製で、作業中に格納容器内の気体を外部に漏らさないために設置されており、中にあるカメラで、装置先端部のカメラの外観を確認する。

 カメラは高線量でも耐えられる設計だが、東電は故障した可能性もあるとみている。交換が必要な場合、装置ごと隔離箱の外に出すことになるため、中断が長期化するのは必至だ。

 原発事故では1~3号機の核燃料が溶け落ち炉内の構造物と混ざって固まり、推計約880トンのデブリが発生した。政府・東電が2051年までの完了を目指している廃炉作業においてデブリ取り出しは最難関とされる。

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