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クジラへの感謝と古式捕鯨の歴史を伝えるハラソ祭り紹介…三重・尾鷲の熊野古道センターで企画展

読売新聞 / 2024年9月25日 9時59分

ハラソ祭りを再現した展示が並ぶ会場(尾鷲市で)

飢饉のたびに現れて住民救ったとの言い伝え

 江戸時代に盛んだった古式捕鯨を伝える三重県尾鷲市梶賀町の祭り「ハラソ祭り」を紹介する企画展が、三重県立熊野古道センター(尾鷲市)で開かれている。コロナ禍の中断を経て再開された伝統の祭りを通じて、人々の暮らしを支えてきた海への感謝や、漁師たちの心を伝えている。(根岸詠子、写真も)

 梶賀町は山に囲まれた入り江の奥にある集落で、古くから捕鯨が行われてきた。江戸時代には 飢饉 ききんになるたびに鯨が捕れ、住民を救ったとの言い伝えが残る。

 明治時代に梶賀町の捕鯨が終わり、鯨への感謝を込めてハラソ祭りが始まった。現在は毎年1月初旬、梶賀町の沖合で行われる。コロナ禍で中断されたが、2023年に再開した。熊野古道センターによると、海上で行われる国内の祭りのうち、100年以上の歴史があるのはハラソ祭りだけという。

 数十枚の大漁旗を掲げた船に、顔を白く塗った男たちが乗り、「ハラーソ、ハラーソ」のかけ声に合わせて をこいで進む。1人が船首に立ち、歌舞伎のような動きで海中に もりを投げ込むのが祭りのクライマックスだ。

 企画展の会場では、祭りで使う船の「船尾飾り」や参加者たちの衣装、実際に捕鯨で使われていた銛など20点を展示している。

 捕鯨の手法や歴史についてもパネルで紹介。統率のとれた動きで複数の船を動かす操船技術や、高台からのろしを上げて鯨の場所を知らせる方法は、水軍の技術にも共通する。紀州藩は、捕鯨を軍事訓練の一環としても重視し、推奨していたという。

 担当者は「錦絵のように華やかで、軍記物語のように勇壮な祭り。梶賀の人たちの心意気を伝えたい」と話している。

 入場無料。10月14日まで(会期中は無休)。10月13日午前10時から、梶賀町を散策したり、櫓こぎや郷土食の「あぶり」を作ったりする体験も予定している。参加費500円で、9月28日までにセンター(0597・25・2666)へ申し込む。

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