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イスラエル軍がレバノン南部への地上侵攻踏み切るか焦点…住民の帰還、空爆だけでは困難か

読売新聞 / 2024年9月24日 22時45分

24日、レバノン南部サイダで、避難してきた人々で混み合う幹線道路=AP

 【エルサレム=福島利之】イスラエルが23日にレバノンを大規模に空爆したことで、イスラム教シーア派組織ヒズボラとの紛争は新たな局面に入った。パレスチナ自治区ガザでイスラム主義組織ハマスとの戦闘が続く中、イスラエルは新たな軍事的な成果を求めて戦線を拡大した。レバノン南部へ地上侵攻に踏み切るかどうかが次の焦点となる。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は23日、レバノン国民向けに「戦争はレバノン国民に対してのものではない。ヒズボラへのものだ」と英語で演説する動画を公開した。イスラエル主要紙ハアレツは「事実上、全面的な戦争の段階に入った」との見方を示した。

 ヨアブ・ガラント国防相は23日、ヒズボラとの戦闘の目標として「イスラエル北部の住民を家に安全に帰還させる」と述べた。ガザで昨年10月に戦闘が始まって以降、ヒズボラはハマスとの「連帯」を掲げてイスラエル北部へミサイルを撃ち込み、国境地帯にある43の集落から6万8000人が避難している。

 イスラエルは、目標の達成のためにレバノン南部を流れるリタニ川以南からのヒズボラ民兵の撤退を求めている。イスラエルとの間に「緩衝地帯」を設け、イスラエルへの攻撃を不可能にするのが狙いだ。

 焦点となっているのが、イスラエル軍が越境し、地上部隊をレバノン南部に侵攻させるかどうかだ。軍事筋によると、ヒズボラはレバノン南部に地下トンネルを築いており、地上軍の派遣なしに空爆だけで目標の達成は難しいという。

 ただ、後ろ盾の米国は地上侵攻に反対しているとされる。地上侵攻にはさらに数千人の予備役兵が必要とみられるが、招集は行われていない。「現段階で地上侵攻を急いでいない」(地元紙記者)との見方も出ている。

 イスラエルはガザでの戦闘目標として、〈1〉ハマスの壊滅〈2〉全人質の解放――を掲げている。戦闘はその目標を達成しないまま、間もなく1年を迎える。

 ネタニヤフ政権は、北部の住民に新学期が始まる9月までの帰還を約束していたが、実現していないことに首長や住民から大きな不満が出ていた。ネタニヤフ政権は、戦闘を北部に拡大させて成果を誇示し、国民の支持を回復させたい意向とみられる。

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