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避難所から戻ったばかりの女性、大雨で自宅流され2度目の避難生活に「全てなくなりマイナスからのスタート」

読売新聞 / 2024年9月25日 11時55分

大雨被害を受け、避難所で過ごす人たち(25日午前、石川県輪島市で)=大金史典撮影

 記録的な大雨に見舞われた石川県の能登半島北部では、輪島、珠洲、能登の3市町で37か所の避難所に計621人が身を寄せている。大半が元日の地震で被害を受けた「二重被災者」で、生活再建の途上で避難所生活に逆戻りした住民たちは途方に暮れている。行方不明者らの捜索では25日、輪島市久手川(ふてがわ)地区で新たに1人の遺体が見つかり、死者は計9人となった。県警が身元の確認を進めている。

 避難所となっている輪島市西脇町の河原田公民館には、約20人の被災者が身を寄せている。同市打越町の女性(64)は、大雨で2階建ての自宅が流された。元日の地震で避難所生活を続けた後、準半壊となった自宅の片付けが一段落して戻ったばかりだったといい、「全てなくなり、マイナスからのスタートだ」と嘆いた。

 公民館では断水が続いており、給水車による支援などで飲料水は確保できるが、入浴や洗濯はできない状態だ。避難者は不便な生活を強いられており、近くの自宅から避難してきた男性(85)は「地震直後に逆戻りだ」とため息をついた。

 雨で一時、孤立状態になった珠洲市の大谷地区では、市立大谷小中学校の体育館で50人ほどが避難生活を続けている。同地区では土砂崩れで浄水施設が損傷して断水し、停電も解消されていない。電源車が到着し、避難所周辺の電気が復旧したばかりだ。

 同地区の女性(84)は元日の地震で自宅が半壊し、娘を頼って愛知県内に避難。5月に珠洲市に戻ってからは、日中は自宅の片付けを行い、夜間は避難所に寝泊まりする生活を続けてきた。

 大雨が降った21日は自宅にいたが、次第に雨脚が強くなり、近くの川は水かさが増す一方だった。電気が消え、電話もつながらなくなったため、身の危険を感じて避難したという。恐怖であれから自宅の様子は見に行けていない。「元日から何度も危険な目に遭った。何とか一日一日を無事に過ごせれば」と話した。

       ◇

 被災地では25日も、朝から警察や消防などによる捜索が続けられた。

 少なくとも3人が連絡が取れなくなっている輪島市久手川地区で午前、高齢女性1人が見つかり、その場で死亡が確認された。能登町でも、消防と警察約50人が道路脇の草むらを棒でかき分けたり、ドローンで上空からの映像を確認したりしながら捜索を続けた。

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