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上川隆也が名作「罠」に…巧みな伏線、あっと驚く展開「考えをつき合わせブレンドが醸成されていけば」

読売新聞 / 2024年9月26日 10時0分

翻訳劇の経験は少なく、「身の引き締まる思いでいる」と語る上川隆也=宇那木健一撮影

 仏の劇作家、ロベール・トマが1960年に発表し、日本でも度々上演されてきた舞台「 わな」が、10月4日から東京・よみうり大手町ホールで始まる。練り上げられたサスペンス劇の名作に、上川隆也が挑む。(池内亜希)

 「この題、お見事だと思いました。幕が開いた瞬間から、観客に罠が仕掛けられている。これが、60年あまり上演され続けてきた大きな力なんでしょう」。これまで観劇したことはなかったが、脚本を一読し、巧みな伏線と、あっと驚く展開に魅了された。

 舞台は、とある山荘。妻・エリザベート(藤原紀香)が失踪し、夫・ダニエル(渡辺大)はカンタン警部(上川)に捜査を頼む。そこに“エリザベート”が戻ってくるが、ダニエルは「妻ではない」と主張する。

 エリザベートに付き添うマクシマン神父(財木琢磨)、絵描きのメルルーシュ(藤本隆宏)、看護師のベルトン(凰稀かなめ)を含め、登場人物は6人。誰が正しいことを言い、誰がウソをついているのか分からない、張り詰めた緊張感とともにストーリーは進行していく。

緻密 ちみつ な会話劇でありながら、役者たちが様々な角度からアプローチできる「許容量」も感じたという。今作では 毅然 きぜんと事件に向き合う、上川演じるカンタン警部が主人公。「皆さんと考えをつき合わせ、我々のブレンドが醸成されていけば」と力を込める。演出は深作健太。

 中央大在学中の89年に演劇集団「キャラメルボックス」に入団した。舞台で経験を積む一方、95年に中国残留孤児を描いた山崎豊子原作のNHKのドラマ「大地の子」で主人公の陸一心役に抜てきされた。以降、数々のテレビドラマや映画などに出演。実直な警察官や狂気をはらんだ弁護士など多彩な役を丁寧に演じてきた。

 現場で共演者やスタッフと みながら作品を作り上げることに 醍醐 だいご味を感じてきた。舞台や映像作品を「『闇鍋』みたいなもの」と言い、稽古で共演者らの驚くような解釈に出会う瞬間にこそ「芝居の底知れない面白さがある」とほほえむ。

 35年にわたる俳優活動を支えてきたのは「皆さんに楽しんでいただきたいという思いに尽きる」という。「その手応えを持てた時が一番のやりがい。これから先も変わることがないと確信しています」

 「罠」は、読売新聞創刊150周年、よみうり大手町ホール開場10周年を記念して上演される。同ホールでの上演は20日まで。その後、大阪や愛知、富山などを巡る。(電)03・6265・3201。

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