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婚活しながらスポーツ観戦、県とプロチームが連携…参加者「共通の話題で打ち解けやすい」

読売新聞 / 2024年9月29日 20時51分

 共通の趣味を持つ男女の出会いの場を設けようと、埼玉県と県内プロスポーツチームが協力した婚活事業が今年度から始まった。少子化が進む中、「結婚離れ」を防ぐのが狙い。野球やサッカー、ラグビーなど様々なチームの拠点がある県の強みを生かした取り組みだ。(有沢ゆうり)

野球の話題に花

 「はじめまして。西武ファンの方ですか?」。15日昼頃、プロ野球・埼玉西武ライオンズの本拠地ベルーナドーム(所沢市)のバックネット裏ラウンジで、抽選で参加した20~30歳代の男女計70人が昼食をつまみながら、会話に花を咲かせていた。

 婚活パーティーなら、最初の話題は職業や趣味など、ありきたりな自己紹介から始まることが多いが、この日、参加者はあいさつもそこそこに野球の話題で盛り上がった。

 ラウンジからは、約6時間後の試合を控えたグラウンドが見渡せ、「ミスターライオンズ」の愛称で親しまれる栗山巧選手らの練習を間近に見ながら「推しの選手は誰」といった会話が熱を帯びる。

 参加者はこの後、いったん球場を後にして、飯能市でフルーツビネガーづくりを楽しんだ後、再びドームへ戻り、三塁側内野席に着席。ビールなどを片手にナイター観戦を楽しんだ。この日は、2度の盗塁王を獲得した金子侑司選手の引退試合で、参加者もひときわ大きな声援を送っていた。

 参加した飯能市の女性保育士(38)は「野球を共通の話題にできるので、打ち解けやすかった」と笑顔を見せた。

22組カップル誕生

 県がプロスポーツチームと協力して婚活イベントを開催したのは、8月のラグビー・埼玉パナソニックワイルドナイツとの取り組みに続き2回目。これまでに計22組のカップルが誕生したという。

 11月には、サッカーJ1・浦和レッズのOB選手が参加するスポーツイベントを行う。バスケットボールチームなどとのイベントも計画中だという。

 婚活イベントは、民間団体などが主催しているものもあるが、参加に尻込みしてしまうという人も少なくない。西武の観戦イベントに参加した所沢市の男性会社員(31)は「行政が手がける安心感があったので、参加に踏み切れた」と企画を歓迎した。

ファン増やす契機

 厚生労働省の人口動態概況によると、県内の婚姻率は1990年代半ばから低下傾向にあり、婚姻数は2023年で2万7529組と、ピーク時の1995年から約4割減少した。

 こうした状況を改善しようと、県は、婚活イベントの企画だけでなく、AI(人工知能)を活用したオンラインのマッチングサービスを運営するなど、カップル成立を後押しする様々な取り組みをしている。

 スポーツを通じた婚活は、競技場の適度な「非日常」の雰囲気の中で、初対面同士でもなじみやすいという利点があり、地域振興にもつながる。「ファンが増えるきっかけになる可能性もあり、歓迎。地域に根付いた球団として県と連携を強めたい」(西武ライオンズコミュニティ創生部の担当者)とチーム側も協力に積極的だ。

 県こども政策課の黒沢万里子課長は「県を拠点とするスポーツチームは貴重な資源。出会いを求める人の期待に応えられるよう、結婚につながる支援を増やしたい」と話している。

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