自動失職を選択した斎藤元彦知事「自ら信を問うことが大事」…自民・維新は独自候補擁立を検討

失職して出直し選挙に出馬することを表明する兵庫県の斎藤知事（２６日午後、神戸市中央区で）＝飯島啓太撮影

　パワハラなどの疑惑を巡り、兵庫県議会で不信任決議が可決された斎藤元彦知事（４６）は２６日、県庁で記者会見し、３０日に自動失職し、出直し知事選に無所属で立候補する意向を表明した。前回の知事選で斎藤氏を推薦した自民党や日本維新の会は、独自候補の擁立を検討し、斎藤氏の支援はしない方針。

　斎藤氏は１９日に県議会から全会一致での不信任決議を受けたことで、〈１〉自ら辞職〈２〉２９日までに議会を解散〈３〉３０日に自動失職する――の選択を迫られていた。

　斎藤氏は記者会見で県政に混乱を招いた責任を認めつつ、不信任決議に対しては「知事が職を辞すべきことなのか」と疑問を呈し、「自ら辞職することは考えていなかった」と説明。一方で、「私の対応が問題視されており、自ら信を問うことが大事だ」とし、議会の解散ではなく失職を選んだと述べた。

　斎藤氏が失職すれば、翌日から５０日以内に知事選が行われる。９月２９日までに辞職して再選された場合、任期は１期目の残りの来年７月末までとなるが、失職して再選されると、任期は４年となる。

　斎藤氏は神戸市出身で東大卒。２００２年に総務省に入り、大阪府財政課長を経て２１年７月の知事選で初当選した。

　知事が不信任を受けた過去の事例は、ダム計画中止を巡って県議会と対立した長野県の田中康夫氏ら４例あり、このうち田中氏ら２例は自動失職し、残る２例は自ら辞職している。