証拠捏造を断罪した無罪判決、捜査機関に衝撃広がる…静岡県警幹部「正直納得いかない」
読売新聞 / 2024年9月27日 0時56分
袴田巌さん(88)に無罪を言い渡した26日の静岡地裁の再審判決は、捜査機関による証拠
判決は、事件発生から1年2か月後に現場近くのみそタンクから見つかった「5点の衣類」について、「捜査機関が加工して隠匿したものだ」と指摘した。
証拠を「作り出した」とみなされたことに、静岡県警幹部は「ありえない」と反論。別の幹部も「なぜ捜査機関の捏造と言えるのか。判決には正直納得がいかない」とこぼした。「かなり前の事件だから……」と戸惑いを見せる幹部もいた。
県警OBの男性(87)は「確かに初動捜査にミスはあった。しかし、有罪にするための証拠捏造など、百害あって一利なしだ。捏造認定は残念だ」と話した。
県警の太田守刑事部参事官兼刑事企画課長は、「検察が判決内容を精査し、対応を検討するものと承知している」とのコメントを出した。
静岡地検の小長光健史次席検事は報道陣の取材に対し、弁護団から控訴断念を求められている点について「(要請の)内容は承知し、趣旨も理解しているが、最終的にどう判断するかは別の問題だ」と話した。
ある検察幹部は「法と証拠に基づくきちんとした内容の判決かどうか判断し、控訴の是非を検討する」と述べた。
袴田さんと面会 出廷免除認める
再審で無罪判決を言い渡した国井
今回の再審公判では、審理に先立って浜松市内で袴田巌さんと面会し、出廷免除を認めた。静岡地裁では、2022年に静岡県牧之原市で起きた園児の通園バス置き去り死事件で、業務上過失致死罪に問われた前理事長に実刑判決を言い渡し、「(被害女児は)教訓になるために生まれてきたわけではない。子どもの命の大切さを自覚しないといけない」と説諭した。
日弁連会長「権利救済に一刻の猶予も許されない」
日本弁護士連合会の渕上玲子会長は26日に静岡市内で記者会見し、「巌さんの権利救済にはもはや一刻の猶予も許されない」と述べた。
元東京高裁部総括判事の藤井敏明・日本大学法科大学院教授(刑事訴訟法)の話「袴田さんを犯人とする最も有力な証拠だった『5点の衣類』の赤みを巡り、学者の専門的な説明や検察側と弁護側双方の主張、その根拠とした証拠について丁寧にもれなく判断し、結論を導いた印象だ。検察側のその他の主張についても逐一検討した上で退けており、無罪判決は当然といえる。高齢の袴田さんとお姉さんを一日も早く解放するために、検察は控訴せずに判決を確定させるべきだ」
元検事・高井康行弁護士の話「本来は白紙の状態で行われるべき再審だが、東京高裁の再審開始決定の枠内で判断された印象を受ける。警察だけでなく、検察も証拠を
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