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「星取県」の39地点で天の川がハッキリと…観光資源PRに「星空保全地域」の明るさ調査

読売新聞 / 2024年11月19日 15時58分

 〈星取ほしとり県〉を名乗る鳥取県が、県内7地域の「星空保全地域」43地点で夜空の明るさを調べたところ、39地点で天の川がはっきりと見え、昨年夏の調査より増えた。県は星空を観光資源として打ち出し、ホームページなどでPRしている。(山内浩平)

 県は2017年から星取県としてPRを開始。18年4月には、屋外で投光器やレーザーを特定目的以外で使うことを規制する「県星空保全条例」を施行した。

 条例に基づき、優れた星空環境がある鳥取市佐治町や倉吉市関金町など7地域を保全地域に指定。面積は計約1200平方キロ・メートルと県全体の3分の1を占め、都会では楽しめないまばゆいほどの星空を満喫できる。

 条例による夜空の明るさ調査は毎年、夏と冬に実施。今夏は8~9月の月明かりがなく、雲が少ない夜に、外灯などの影響を受けない43地点で行った。明るさの小型計測器を使い、1地点あたり10回測定して平均値を算出した。

 その結果、天の川の複雑な部分まで確認でき、星団などの観測も可能な「21等級」が16地点(昨年8地点)あった。山や海などと同様の暗さで、天の川がよく見える「20等級」も23地点(同26地点)に上った。

 最も明るかったのは、倉吉市関金町の「新小泉橋」で21・6等級。天文台「鳥取市さじアストロパーク」のある同市佐治町の5地点では、20・9~21・1等級だった。

 保全地域では、地域ごとに照明の設置場所や方向などの基準を設定。県も、基準を満たすための照明設備の更新費用を補助して支援する。県環境立県推進課は「自治体だけでなく、地域の住民や企業にも条例の趣旨が浸透している」という。

 県では、星空や宇宙の楽しみ方を教える「星空案内人」の養成や観望会の開催などにも力を入れる。同課の池本拓課長補佐は「交流人口や関係人口の拡大にもつながれば」と期待する。

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