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石破首相、人口減克服へ「若い人や女性に選ばれる地方を作る」…男女間の賃金格差是正など訴え

読売新聞 / 2024年11月30日 21時10分

「日本創生に向けた人口戦略フォーラムinとっとり」で講演する石破首相(30日、鳥取市で)=大久保忠司撮影

 石破首相は30日、鳥取市で開かれた「日本創生に向けた人口戦略フォーラムinとっとり」で講演し、人口減少の克服に向け、「若者や女性に選ばれる地方づくり」の重要性を訴えた。男女間の賃金格差是正や、多様な正社員制度の導入を目指し、看板政策の地方創生を強力に推し進める考えも示した。

 首相は講演で、少子化と人口減少が進む背景として、若者や女性が都市部に流出する「社会減」と、出生数が減少する「自然減」が絡み合っていると説明した。その上で、「若い人や女性に選ばれる地方を作ることが、新しい地方創生の核心だ」と述べ、若年層や女性にとって魅力ある働き方や職場を地方で実現する必要性を強調した。

 具体策としては、〈1〉賃金格差の是正〈2〉正規雇用化の推進〈3〉結婚や出産を機に女性の正規雇用率が下がる「L字カーブ」の解消〈4〉男性の育児休業取得推進――を打ち出した。

 男女間の賃金格差を巡っては、従業員に格差はないという経営層の「無意識の思い込み」が要因の一つだと指摘し、経済界に「本当に男女の賃金格差はないのか、検証しよう」と呼びかけた。

 正規雇用の拡大に向け、多様な働き方の実現も訴えた。「短時間正社員制度」の導入を挙げ、「働く時間の長さが正規雇用の条件みたいに言われるが、色々な事情で短時間の就労を希望する人の思いを実現したい」と語った。

 初代地方創生相を務めた首相は、地方創生関連の交付金を当初予算ベースで倍増する目標を掲げており、産業界や金融機関、労働団体、報道機関を加えた「産官学金労言」に対し、総力を挙げて地方創生に取り組むよう求めた。

 首相が就任後、地元の鳥取に入るのは初めて。フォーラムは、人口減少に警鐘を鳴らす民間有識者らのグループ「人口戦略会議」のメンバーや鳥取県などでつくる実行委員会が主催した。

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