鹿児島のＪＲ川内駅で貨物列車脱線、終日一部区間で運転取りやめ…前日検査で線路に異常なし

ＪＲ川内駅構内で脱線した貨物列車（１２日午後２時５１分、鹿児島県薩摩川内市で）＝秋月正樹撮影

　１２日午前３時頃、鹿児島県薩摩川内市のＪＲ鹿児島線川内駅構内で、ＪＲ貨物の貨物列車（１２両編成）が脱線した。運転士にけがはなかった。国の運輸安全委員会は１２日、鉄道事故調査官２人を現地に派遣して調査を始めた。ＪＲ九州は１３日も終日、川内―隈之城（薩摩川内市）間の運転を取りやめる。

　ＪＲ九州などによると、脱線したのは先頭を走る機関車と後続のコンテナ貨車２両。列車は熊本操車場（熊本市）を出発し、鹿児島駅（鹿児島市）に向かっていた。運転士は、川内駅で一時停車後に駅を発車した際に車両に揺れを感じたため、非常停止したという。

　事故の影響で、鹿児島線の川内―隈之城間で終日運転を見合わせ、普通列車が上下線で計６５本運休し、約７０００人に影響が出た。肥薩おれんじ鉄道の上川内（薩摩川内市）―川内（同）間も一時、上下線で運転を見合わせた。

　ＪＲ九州とＪＲ貨物は事故後、鹿児島市内で記者会見を開き、１１日の検査で線路に異常は確認されなかったことを明らかにした。ＪＲ貨物では車輪と車軸の取り付け作業でデータ改ざんなどを行っていたことが発覚したが、今回の事故車両は不正車両に該当しないという。