男女の性自認ないノンバイナリー当事者、女性から「第1子」への戸籍表記変更を申し立て
読売新聞 / 2024年12月13日 20時4分
自認する性が男女いずれにも当てはまらない「ノンバイナリー」の当事者が13日、戸籍に「長女」と表記されているのは個人の尊厳を保障する憲法13条に違反するとして、「第1子」などと性別を含まない記載への訂正を求める家事審判を京都家裁に申し立てた。代理人弁護士によると、ノンバイナリーの人による申し立ては異例。
申立人は京都府が本籍地の50歳代。申立書によると、戸籍の「実父母との続柄」には「長女」と表記されている。だが、幼少期から女性も男性も同性と感じられず、周囲から女性と扱われることに強いストレスを感じ、常に無力感にさいなまれてきたという。
戸籍法は出生届に性別を記載するよう規定。出生届を基に作られる戸籍の続柄も、性別を踏まえ「長女」「長男」などと記載される。
申立書では、続柄の記載は法的根拠のない実務上の慣習で、出生届の性別を続柄に反映させる規定はないと主張。戸籍上、男女のいずれとも扱われない権利が憲法で保障されるべきだとしている。
申立人は京都市内で記者会見を開き、「残りの人生だけでも女性になりすますことなく、自分らしく生きていけるよう認めてほしい」と話した。
◆ノンバイナリー=バイナリーは「二つからなる」の意味で、性自認が男女の枠組みに当てはまらない状態や人を指す。海外ではカナダやドイツなどが男女以外の性別を法的に承認している。
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