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韓国大統領の弾劾訴追案が可決、尹氏「私は決して諦めない」…与党12人が賛成

読売新聞 / 2024年12月14日 18時10分

弾劾訴追案が可決された韓国国会(14日)=AP

 【ソウル=小池和樹】韓国国会(定数300)は14日の本会議で、政権運営の行き詰まりから12月3日夜に戒厳令を宣布した尹錫悦ユンソンニョル大統領に対して野党6党が提出した2回目の弾劾だんがい訴追案を可決した。

 日韓関係の改善を主導した尹氏は任期を約2年半残して職務停止となった。180日以内に憲法裁判所で弾劾審判が行われる。尹氏が罷免ひめんされれば60日以内に大統領選挙が実施される。尹氏の職務停止に伴い、韓悳洙ハンドクス首相が大統領代行となった。国交正常化60周年を来年に迎える日韓関係にも影響は及びそうだ。

 大統領の弾劾訴追案の可決は2004年3月の左派、盧武鉉ノムヒョン、16年12月の保守、朴槿恵パククネ両大統領以来、3人目。保守の大統領が2人続けて弾劾訴追されたことで保守陣営への打撃は甚大だ。

 盧氏は憲法裁が2か月後に弾劾訴追を棄却して職務に復帰したが、朴氏は3か月後に弾劾を認めて罷免された。尹氏は、戒厳令宣布が大統領権限による統治行為だったとして正面から争う構えだ。尹氏は訴追案可決後に国民向けの談話をテレビで発表し「私は決して諦めない。最後の瞬間まで国家のために最善を尽くす」と訴えた。

 尹氏への弾劾訴追案への採決は7日以来。7日は「国民の力」議員の3人を除いて退席して不成立となった。与党は14日、約6時間にわたる議員総会を通じて弾劾に反対する方針を決定したが、採決には参加した。

 弾劾案可決には、在籍議員の3分の2にあたる200人以上の賛成が必要だった。無記名投票で行われた結果、投票総数300票のうち、賛成204票、反対85票、無効8票、棄権3票だった。可決には最大野党「共に民主党」などの野党・無所属の192議席に加え、与党「国民の力」(108議席)から8人以上が賛成に回る必要があった。与党から12人が賛成、3人が棄権、8人が無効票を投じた可能性が高い。尹氏と与党に対する世論の批判に押されたとみられる。

 今回の弾劾訴追案は、尹氏が国会や選挙管理委員会に軍を投入し、議員らを拘束して収監する場所も設置しようとしたとし、「韓国全域の平穏を害する暴動を起こし、自由民主的基本秩序を脅かした。国民の信任を失い、正常な国政運営は不可能だ」と指摘した。1回目の訴追案が弾劾理由とした、尹氏が「日本中心の奇怪な外交政策に固執した」とする内容は削除された。共に民主党の李在明イジェミョン代表が削除を指示した。国内外から懸念が示されたためとみられる。

 22年5月に就任した尹氏は、元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)訴訟問題の解決策をまとめるなど、文在寅ムンジェイン前政権時に「史上最悪」と評された日韓関係の改善に取り組んだ。

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