高木美帆500も優勝、声弾ませ「一つ収穫」…敗れたW杯2勝の新鋭「世界トップはこんなに速い」
読売新聞 / 2024年12月14日 19時22分
スピードスケート全日本選手権は14日、青森YSアリーナ八戸で第2日の競技が行われ、女子500メートルは高木美帆(TOKIOインカラミ)が37秒86で制し、吉田雪乃(寿広)は37秒98で2位だった。女子3000メートルは堀川桃香(富士急)が4分7秒97で1位。男子1500メートルは一戸誠太郎(ANA)が1分46秒17で勝った。
変化いとわず若手の「高い壁」に
常に高い理想を掲げる高木はレース内容になかなか満足しない。前日の1500メートルに続いて500メートルで勝利したこの日も「課題点はある」とまず反省が口をついた。ただ、いつもと様子が少し違う。「最近タイムを出そうとして出せたレースが多くなかったので。そういう点で一つ収穫」。前日より声が弾んでいた。
100メートルの通過は10秒58で全体3位とまずまず。「通過タイムよりもスピード感は作れていたのでは」。その言葉通り、終盤にかけてぐんぐんと加速した。最後まで力強く氷を押し、37秒台でのフィニッシュ。タイムを確認すると、表情からは笑みがこぼれた。
最も重視するのは1500メートルで500メートルは今季初出場だった。「どれくらい記録が出るか読めない」と言いつつ、今季W杯で2勝している21歳の吉田にも完勝。その後輩に「やはり世界トップはこんなに速いと改めて感じた」と言わしめた。
レース後には氷上に残り、従来と違うスケート靴のブレード(刃)を試していた。「思考の幅(を広げる)というか、可能性があるなら後に生かせる。先を見据えてという感じ」と高木。トップにいても成長を求め、変化をいとわない。若手たちの高い壁であり続ける理由がそこにある。(森井智史)
堀川桃香は3000m圧勝
女子3000メートルは堀川が2位の佐藤綾乃(ANA)に約4秒差をつけて圧勝。ただ、理想のラップタイムを刻むことはできず、終盤も想定していたより失速の幅が大きかった。レース後は悔しそうな表情を浮かべ、「スピードがうまく作れていない。もう少し楽にスピードに乗せられるようにしたい。もうちょっと楽にいけたら最後まで粘れると思う」と振り返った。
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