男女の賃金差 非正規雇用の処遇改善を急げ
読売新聞 / 2024年12月16日 5時0分
働く女性が増えた一方で、子育てでいったん仕事を離れた人の復職が難しいことなど、課題も少なくない。
国や企業は、働きたいという女性の意欲を生かせる職場づくりに取り組んでほしい。
政府が4月、女性活躍を推進するためのプロジェクトチームを発足させた。今後、仕事と家庭の両立支援や管理職への登用などを企業に働きかけていくという。
労働基準法は、性別を理由として賃金に差をつけてはならないと定めている。ただ、女性の場合、結婚や子育てで離職する人が多く、男性に比べて勤続年数が少なくなりがちだ。そのため、管理職も少ないという実態がある。
そうした事情から、結果的に、女性が得られる賃金は、総体として男性の75%にとどまっている。プロジェクトチームは、男女差の大きい金融・保険業や食品製造業、小売業などの実態を調べ、対策を検討するという。
政府は2年前、全国の大企業に対し、男女の賃金差を公表するよう義務づけた。その後、女性管理職の育成や働き方の見直しが進んでいる。中小企業でも社内の状況を詳しく点検し、課題の発見に努めてもらいたい。
日本では、女性の正規雇用率が20歳代後半をピークに下がり、非正規雇用が増える特徴がある。結婚や出産を機に正社員を辞め、子育てを経て、パートなどで再び働き始める人が多いのだろう。
国の統計では、非正規雇用で働く人の7割近くを女性が占めている。非正規雇用で働く人の賃金は正社員の3分の2にとどまる。
まずは、非正規雇用で働く人の処遇を改善することが大事だ。非正規で働くことを選んだ女性の中にも、正社員として働きたいと思っている人がいる。そうした女性が希望をかなえられるような仕組みづくりも欠かせない。
職場を離れた女性が再び働き始める際には、新しいデジタル技術への対応などもあり、不安が大きいだろう。国や自治体は、そうした女性が必要な技能を身につけられるよう支援すべきだ。
都市部は、子育て世代の女性の賃金水準が高いことから、男女の賃金差も比較的小さいが、地方では依然として男女差が大きい。地方からの女性の流出を食い止めるためにも、解消が求められる。
日本は少子高齢化が進み、労働力の不足が深刻化している。男女ともに働きやすい環境を整えることが、国にとっても、企業にとっても重要になる。
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