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民主派排除の香港議会選、投票率は過去最低 G7「重大懸念」表明

ロイター / 2021年12月21日 7時49分

香港で19日実施された立法会(議会)選挙は、親中派が圧勝した。香港立法会選の開票所で撮影(2021年 ロイター/Lam Yik)

[香港 20日 ロイター] - 香港で19日実施された立法会(議会)選挙は、親中派が圧勝した。「愛国者」と認められた人のみが立候補できる制度への変更後初の選挙となったが、有権者の関心は低く、投票率は30.2%と、2016年の前回選挙の58%の約半分で過去最低となった。中国国営メディアは、選挙は成功とアピールした。

最新の結果によると、親中派と親体制派がほぼ全ての議席を獲得。

民主派のフレデリック・ファン氏など自称穏健派の十数人の候補者も大半が落選した。ファン氏は「現在の状況では市民を後押しするのは簡単ではないとしか言えない。彼らは現状に無関心なのだろう」と述べた。

新たな選挙制度は海外の政府や人権擁護団体などから批判され、主流の民主派政党は候補者を擁立しなかった。

林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は20日の会見で、投票率は確かに低かったが、その理由は分からないとし、「それでも135万人が投票したのだから、選挙が多くの市民の支持を得ていないとは言えない」と述べた。

直接選挙枠で半数の議席を獲得した親中派の民主建港協進連盟(DAB)のスターリー・リー(李慧けい)党首は、愛国者だけが議員になれる選挙制度改革で統治が改善されるとし「この制度に人々が適応するには一定の時間が必要」と記者団に語った。

一方、主要7カ国(G7)の外相のほか、欧州連合(EU)上級代表、および英国、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドは個別に共同声明を発表し、香港の民主主義の侵食に「重大な懸念」を表明した。

G7は、香港の選挙制度の変更は1997年に香港が英国から中国へ返還された際に「一国二制度」の下で約束された高度な自治を損なっている、と指摘した。

<中国政府は成果強調>

中国政府の出先機関、香港連絡弁公室は、今回の選挙は「香港の特徴ある民主主義の成功事例」と称した。

新華社は、選挙結果は「市民の真の意思」を示したと指摘。親中香港紙、大公報は、1997年の香港返還後で「最も成功した」選挙と評価した。

中国国務院(内閣に相当)は20日発表した、香港の発展に関する白書で、中国は香港の「秩序を回復」し、「民主主義を軌道に乗せた」と述べた。[nL6N2T503G]

ラム長官は20─23日の日程で北京を訪問し、香港の経済・社会・政治情勢について説明する。[nL4N2T50XQ]

<投票の呼び掛け実らず>

香港政府は18日、市民に一斉にテキストメッセージを送り、投票するよう求めた。

香港バプテスト大学のジャンピエール・カベスタン政治学教授は「政府が高い投票率の確保を狙っていたのは明白だ。そうしなければ、選挙の正当性が否定される可能性があるからだ」と指摘した。

英国からの返還後で最低の投票率は2000年の43.6%だった。

新たな選挙制度下で、立法会の定数は90に増え、直接選挙枠が全体の半分から約4分の1(定数20)に減った半面、親中派が占める選挙委員会が3分の1超を選出する形となった。香港では、国家安全維持法(国安法)の下で民主派への締め付けが強化され、多数の活動家が拘束されている。

選挙当日は電車やバスを含む公共交通機関が運賃を無料にしたため、駅などは混み合ったが、投票所に人混みはなかった。

ピーターと名乗る21歳の学生は「深刻な抑圧下で、投票を拒否することがわれわれの不満を表明する唯一の手段だ」と語った。

政府の発表によると、選挙前には白紙投票を呼び掛けた10人が逮捕された。

地元メディアによると、19日の選挙では投票総数の約2%が無効とされ、過去最高となった。

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