英国の公的債務残高、史上初の2兆ポンド突破

　８月２１日、英国の公的債務残高が７月に史上初めて２兆ポンド（２兆６５００億ドル）を突破した。写真は２０１７年９月、マンチェスターで撮影（２０２０年　ロイター/Phil Noble）

［ロンドン　２１日　ロイター］ - 英国の公的債務残高が７月に史上初めて２兆ポンド（２兆６５００億ドル）を突破した。新型コロナウイルス感染拡大に対応するため公的支出が増大する一方、税収が減少した。

英国立統計局（ＯＮＳ）の発表によると、７月の純債務残高（公的金融機関除く）は２兆００４０億ポンド（２兆６６００億ドル）で、前年同月比約２３００億ポンド増加。国内総生産（ＧＤＰ）比は１００．５％となり、１９６１年以来の高水準だった。

４─７月の政府借り入れは１５０５億ポンドで、前財政年度全体のおよそ３倍に達した。

７月単月では、公的金融機関除く借り入れは２６７億ポンド。ロイターがまとめたエコノミスト予想をわずかに下回った。

スナク財務相は「長期的には健全財政に回帰せねばならないということを思い起こさせる数字だ。健全化には難しい決断が必要となる」と述べた。

ＯＮＳによると、新型コロナウイルス感染抑制に向けたロックダウン（都市封鎖）により英経済が大幅に縮小したため、債務の対ＧＤＰ比が大きくなった側面もあるという。