英国とEU、駐英EU大使の外交的地位巡り対立
ロイター / 2021年1月22日 2時46分
[ロンドン 21日 ロイター] - 英政府が駐英欧州連合(EU)大使に完全な外交的地位を与えることを拒否しているため、EUとの間で対立が生じている。
英BBCの報道によると、英国のEU離脱に伴って新たに任命されたバレデアルメイダ駐英EU大使に対し、各国の大使と同等の外交的地位と特権を与えることを英政府が拒んでいる。EUが国ではないことが理由という。
ジョンソン英首相の報道官は「EUとその代表団および職員は英国での業務を効率的に遂行するために必要な特権と免除を受けることになる」と指摘。「EUは国家の集合体であるが、それ自体が国家ではないということは事実だ」と述べた。
EUは域外に143の代表部を置いており、全て完全な外交的地位が付与されている。
EUの執行機関である欧州委員会のスタノ報道官は「外交関係に関するウィーン条約に基づき互恵的待遇を付与することは、対等な相手との基本的な慣行だ。英政府とこの問題を満足できる方法で解決できると確信している」との見解を表明。「英のEU離脱後も、英のスタンスの変化の裏付けとなるような変更点はない」と述べた。
BBCによれば、EUの外相に当たるボレル外交安全保障上級代表はラーブ英外相に書簡を送り、この問題についての英政府の提案は合意のための合理的な土台にはならないと指摘した。
EU代表部に関する英国の提案はEUの性格を反映したものではなく、重要な非加盟国である英国とEUの将来の関係に対応したものでもないと批判した。
英外務省は駐英EU代表部に関する長期的な協力関係について、EUとの取り組みを続けていくと表明したという。BBCによると、他の国際機関の手前、EUを特例とすることを避けるため、完全な外交的地位の付与に躊躇(ちゅうちょ)しているという。
*内容を追加しました。
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