イスラエルとハマス停戦発効、火種は残る 仲介エジプトが監視へ
ロイター / 2021年5月21日 14時15分
[ガザ/エルサレム 21日 ロイター] - エジプトが仲介したイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦が21日に発効した。ただ、パレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスの幹部は「(依然として)引き金に指をかけている」と警告し、エルサレムでの人権侵害を停止し、ガザ空爆による被害に対応するようイスラエルに求めている。
一方、バイデン米大統領は、ガザへの人道的支援を行うと表明。11日間に及ぶ戦闘では、イスラエルの空爆でガザではパレスチナ人232人(子ども65人含む)が死亡し、イスラエルではガザから発射されたロケット弾で12人が死亡した。
停戦発効時刻の午前2時(20日2300GMT、日本時間21日午前8時)直前にもパレスチナによるロケット弾の発射は続き、イスラエルは少なくとも1回の空爆を行った。
双方とも停戦合意が守られなければ報復する用意があると表明している。エジプト政府は停戦監視に向け、代表団の派遣を発表した。
戦闘により、ガザのパレスチナ人の多くはイスラム教の断食月「ラマダン」の終わりに当たって開くお祭り「イード・アル・フィトル」を祝えなかったが、21日にはガザ全土で遅れていたイード・アル・フィトルの食事会が開かれていた。
イスラエルでは24時間体制でニュースを流していた各ラジオ局が、ポップミュージックやフォークソングを再び流し始めた。
<「レッドライン」>
ハマス政治局幹部のEzzat El-Reshiq氏はカタールの首都ドーハでロイターに「戦闘がきょう終わるというのは事実だが、われわれは引き金に指をかけており、この抵抗運動の能力を今後も引き上げることを、ネタニヤフ(イスラエル首相)と全世界は知るべきだ」と語った。
また、エルサレムのアルアクサ・モスクの保護や、東エルサレムのパレスチナ人家族への立ち退き要求停止も求めているとし、これが「レッドライン(越えてはならない一線)」だと表現した。
同氏は「今回の戦い『エルサレムの剣』の後に来るものはこれまでとは異なる。なぜならパレスチナ人はレジスタンス(抵抗運動)を支持しており、レジスタンスが自らの土地を解放し、自らの聖地を守るものだと知っているためだ」と述べた。
戦闘が続く中、バイデン氏はイスラエルのネタニヤフ首相と電話会談し、緊張緩和を促していた。また、エジプトやカタール、国連は停戦に向けた仲介を模索、国際社会の働き掛けが強まっていた。
バイデン氏は20日のテレビ演説で、イスラエル人とパレスチナ人の遺族に哀悼の意を示すと共に、国連や国際社会と協力して迅速な人道支援を行うと表明。ガザの復興支援は、米国がテロ組織に指定しているハマスではなく、パレスチナ自治政府との協力で進めると説明した。
また、ブリンケン米国務長官は20日、イスラエルのアシュケナジ外相と電話会談し、数日以内に中東を訪問し、イスラエルやパレスチナ、中東地域の外交担当高官と会談すると伝えた。米国務省が発表した。
*内容を追加しました。
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