S&Pとダウ下落、新型コロナ変異種巡る懸念が重し
ロイター / 2020年12月23日 7時22分
[ニューヨーク 22日 ロイター] - 米国株式市場は値動きの荒い展開となる中、S&P総合500種が下落して取引を終えた。米議会が数カ月の対立を経てようやく追加経済対策を可決したものの、新型コロナウイルスの変異種を巡る懸念や、さえない経済指標が重しとなった。
ダウ工業株30種も下落。一方、ナスダック総合はアップル株に押し上げられ、終値で最高値を更新した。
小型株で構成されるラッセル2000指数も最高値で引けた。
アップルは2.8%上昇。逆行高となり、S&Pとナスダックを支えた。同社が2024年に自社開発の最先端電池を搭載した乗用車の製造開始を目指しているとのロイターの報道が背景。
議会は21日、9000億ドル規模の新型コロナウイルス追加経済対策を可決。トランプ大統領が近く署名し、成立する見通し。
ただ、米国では1日当たりの新規感染者が21万4000人と感染拡大が続いており、医療体制が逼迫しつつある。
感染力の高い新型コロナ変異種が英国で拡大し、各国が英国との間で移動制限を導入するなど混乱も広がっている。
CNNによると、ファイザーとモデルナは、新型コロナウイルスワクチンが英国で確認された新型コロナ変異種に効果があるかどうか検証している。
LPLフィナンシャルのシニア市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「市場は経済対策と新型コロナ変異種という2つの大きなニュースを消化しているところだ」と指摘した。
2020年は、新型コロナを巡る懸念と今後の景気回復を見据えた楽観的な見方が交錯。市場のボラティリティーがかなり高まり、S&P総合500種は1日の騰落率が2%以上となった回数が40を超えた。これは過去10年余りで最多となる。
デトリック氏は「市場がある時点で年初来30%下落していた状況から年末に上昇して終わるのは史上初めてのことだろう。このようなことは見たことがない」と語った。
この日発表された経済指標では、12月の消費者信頼感指数が予想外に低下したほか、11月の中古住宅販売が6カ月ぶりに減少した。
S&Pの主要11セクターで上昇したのは情報技術株と不動産株のみだった。
前日にS&P総合500種に組み入れられた電気自動車(EV)大手テスラは1.5%安と続落した。
エクササイズバイクやランニングマシーンのメーカー、ペロトン・インタラクティブは11.6%急伸。同社は同業のプリコーを4億2000万ドルで買収すると発表。これを受け、証券会社が目標株価を引き上げた。
バイオ医薬品のアムジェンは2.8%安。英アストラゼネカと共同開発したぜんそく治療薬の後期臨床試験の結果が失望を誘う内容だった。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.31対1の比率で上回った。ナスダックでは1.21対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は110億2000万株。直近20営業日の平均は116億2000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 30015.51 -200.94 -0.67 30200.2 30200. 29992.
0 20 89
前営業日終値 30216.45
ナスダック総合 12807.92 +65.40 +0.51 12785.2 12840. 12695.
2 57 31
前営業日終値 12742.52
S&P総合500種 3687.26 -7.66 -0.21 3698.08 3698.2 3676.1
6 6
前営業日終値 3694.92
ダウ輸送株20種 12459.81 -25.72 -0.21
ダウ公共株15種 842.22 -2.74 -0.32
フィラデルフィア半導体 2743.97 -3.32 -0.12
VIX指数 24.23 -0.93 -3.70
S&P一般消費財 1274.47 -4.63 -0.36
S&P素材 447.53 -2.54 -0.56
S&P工業 740.19 -4.01 -0.54
S&P主要消費財 682.91 -5.84 -0.85
S&P金融 473.37 -4.61 -0.96
S&P不動産 224.20 +1.36 +0.61
S&Pエネルギー 283.04 -5.02 -1.74
S&Pヘルスケア 1295.75 -4.24 -0.33
S&P通信サービス 216.44 -2.17 -0.99
S&P情報技術 2273.06 +19.36 +0.86
S&P公益事業 309.77 -0.68 -0.22
NYSE出来高 9.51億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 26585 + 245 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 26555 + 215 大阪比
(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)
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