各国は鳥インフルのワクチン接種検討を、国際獣疫事務局トップが訴え
ロイター / 2023年5月22日 13時59分
5月22日、パリに本部がある国際獣疫事務局(WOAH)のモニーク・エロワ事務局長は、世界各国が家禽に対する鳥インフルエンザのワクチン接種を検討し、この病気が新たなパンデミックに転じるのを防ぐべきだと訴えた。写真はアヒルのひよこ。フランスのカステルノ=テュルサンにある養鶏場で1月撮影(2023年 ロイター/Stephane Mahe)
[パリ 21日 ロイター] - パリに本部がある国際獣疫事務局(WOAH)のモニーク・エロワ事務局長は、世界各国が家禽に対する鳥インフルエンザのワクチン接種を検討し、この病気が新たなパンデミックに転じるのを防ぐべきだと訴えた。
現在鳥インフルは猛威を振るい、経済的な被害をもたらしているだけでなく死者まで出ているため、一部の国ではワクチン接種を改めて検討する動きが見られる。ただ米国などは、ワクチンを打った家禽の輸出が制限されることなどを理由に、接種に消極的な姿勢を変えていない。
こうした中でエロワ氏はロイターのインタビューで、「われわれは新型コロナウイルスの危機から抜け出しつつあるところで、そこではいずれの国でも仮説に過ぎなかったパンデミックが現実化したのを実感した」と訴えた。
その上で「国際貿易を行っているほとんど全ての国が今、鳥インフルの感染に見舞われており、恐らくは(感染をコントロールするための)主な手段であるシステマティックな殺処分に加え、ワクチンを議論するべき時だ」と語った。
WOAHの調査では、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)向けワクチンを接種した家禽の輸入を認めるとした加盟国は全体の25%にとどまっている。
それでも欧州連合(EU)は昨年、鳥インフルのワクチン戦略を実行することに合意。2021/22年に家禽の殺処分に伴って業界向けに約10億ユーロの補償を支出したフランスが、EU域内で最初にワクチン接種を開始する見通しだ。
エロワ氏は、EUの動きで他の地域にもワクチン接種が拡大することを期待。「EUのような大規模輸出ブロックがワクチン接種に乗り出せば、波及効果があるだろう」と述べた。
WOAHは21日から、HPAIの世界的な抑制を話し合うための総会を5日間の予定で開催している。
この記事に関連するニュース
-
エムポックス、アフリカで近くワクチン接種開始も=CDC
ロイター / 2024年8月21日 11時19分
-
WHO が緊急事態宣言を出した「エムポックス」──ワクチンの供給拡大が急務
国境なき医師団 / 2024年8月20日 18時4分
-
ファイザーのインフル・コロナ混合ワクチン、後期試験で主要目標未達成
ロイター / 2024年8月20日 13時46分
-
鳥インフルエンザのウイルスを運ぶ、ハエが日本国内で発見される【最新研究】
ニューズウィーク日本版 / 2024年8月9日 11時45分
-
タイ保健省、BSEリスクを伴う食品輸入規定など、2本の告示案について意見公募(タイ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月7日 13時50分
ランキング
-
122人乗りヘリが消息絶つ ロシア極東カムチャツカ地方
共同通信 / 2024年8月31日 17時33分
-
2日本、中国主張の法的根拠否定 南シナ海問題で反論
共同通信 / 2024年8月31日 17時56分
-
3身分証?今後は財布ではなくスマホに…韓国「国民がモバイル身分証を使う時代」が目の前に
KOREA WAVE / 2024年8月31日 16時0分
-
4領有権争う南シナ海で中比の船が衝突 双方“相手側が故意に”と主張…非難の応酬に
日テレNEWS NNN / 2024年8月31日 21時42分
-
5ポリオ接種でガザ戦闘休止へ=イスラエルとハマス
時事通信 / 2024年8月31日 22時42分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください