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ロイター/INSEADアジア企業景況指数、第4四半期は62に回復 コロナなお最大リスク

ロイター / 2020年12月23日 12時15分

 トムソン・ロイターがINSEADと共同で実施したアジア企業景況調査によると、第4・四半期の景況感指数は62となり、前期の53から急上昇した。写真は中国のバイオ医薬品会社シノバック・バイオテックの研究員。9月北京で撮影(2020年 ロイター/Thomas Peter)

[23日 ロイター] - トムソン・ロイターがINSEADと共同で実施したアジア企業景況調査によると、第4・四半期の景況感指数は62となり、前期の53から急上昇した。域内の企業活動が活発化し、欧米で新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった状況を映し、景況感は1年ぶりの高水準となった。

景況の改善と悪化の分岐点である50も上回った。

INSEADのアントニオ・ファタス教授(経済学)は「今後について楽観ムードがある」と指摘。

「状況は改善しているが、多少の不透明感がなおある。(コロナ)危機の影響は業種によって差異が大きい」と述べ、海外渡航の制限による運輸業界の弱さに触れた。

回答企業の半分以上が、いまだに歯止めがかかっていない新型コロナの感染拡大と、ワクチンの供給が少なくとも当初は世界の一部で不足する可能性を最大リスクに挙げた。

米英でワクチン接種は既に始まっているが、アジアで近い将来に大量のワクチン供給を受ける見込みの国はほとんどない。アジアの一部ではまだワクチンの後期治験が行われており、既に接種が始まっている国で副作用が出るかどうかを見極めようとしている国もある。

回答企業の25%は、消費への打撃となる企業の人員削減が最大の懸念要因だとした。各国中銀の緩和縮小やバイデン米次期大統領による強硬な対中政策の継続を指摘する声もあった。

調査は12月4-18日、11カ国・地域の101企業を対象に実施した。インドの住宅金融大手ハウジング・デベロップメント・ファイナンス(HDFC)、スズキ、タイの電源装置大手デルタ・エレクトロニクスなどが回答に協力した。

<2021年は経済再生の年に>

ピクテ・ウエルス・マネジメントのセサル・ペレス・ルイス最高投資責任者(CIO)は「景気悪化に特徴付けられた2020年に続き、21年は(死から再生する)『不死鳥の年』になるだろう。ワクチン普及と手厚い政策支援によって世界の国内総生産(GDP)と企業利益が強く回復する」と予想した。

世界第2位の経済である中国がコロナ前の水準に回復したことで復興への期待は高まった。中国、韓国、台湾の株式市場は年初から少なくとも20%上昇し、アジアの相場上昇を主導している。

調査の回答企業の約44%は今後6カ月について楽観的で、前期の28%、第2・四半期の約8%を大幅に上回った。

約58%が第4・四半期中に新規採用・一時帰休ともに行わなかったとし、20%が従業員数が減ったと回答。どちらも前期とほぼ変わらなかった。第2・四半期は62%が人員削減を実施したと回答していた。

ファタス氏は「まだ多少の不透明感があるが、良好な結果だ」と分析。「足元では回復ペースが加速し、見通しに自信を持つ企業が増えているようだ」とした。

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