米政府、「ノルドストリーム2」向け追加制裁を準備=政権高官
ロイター / 2020年12月24日 8時21分
12月23日、米政府は欧州の同盟諸国や民間企業に対して、ロシア産天然ガスをドイツへ直送する海底パイプライン「ノルドストリーム2」の建設作業に加わらないよう呼び掛けており、数週間以内に幅広い追加制裁を発動する態勢を整えている。ロシアのチェリャビンスクで2月26日撮影(2020年 ロイター/Maxim Shemetov)
[ワシントン 23日 ロイター] - 米政府は欧州の同盟諸国や民間企業に対して、ロシア産天然ガスをドイツへ直送する海底パイプライン「ノルドストリーム2」の建設作業に加わらないよう呼び掛けており、数週間以内に幅広い追加制裁を発動する態勢を整えている。複数のトランプ政権高官が23日明らかにした。
3人の高官は「非常に近い将来」に議会の指示に基づいたノルドストリーム2に対する新たな制裁を打ち出す準備をしていると説明。そのうちの1人は「われわれはこの案件でじわじわとボディーブローを与えてきたが、今やプロジェクトの心臓部を直撃する手続きを踏みつつある」と述べた。
ロシアは今月に入ってノルドストリーム2の建設を再開。既に全区間の90%を完成させた後、これまでの米国による制裁で作業は1年間中断していた。今回の工事はドイツの排他的経済水域(EEZ)内の浅海部分が中心で、100キロに及ぶ未完成区域の大半を占めるデンマーク沖の深海底はまだ手を付けていない。
米政府は、ノルドストリーム2が完成すれば、ロシア産天然ガスに対する依存が高まることで、欧州のエネルギー安全保障が脅かされると主張。ロシアは、米国が制裁を実施しているのは自国の液化天然ガス(LNG)業者の利益に配慮した行動だと反論し、完成を目指す構えを見せている。
こうした対立は、来年1月に米国で政権が交代しても続く可能性がある。米議会はノルドストリーム2反対で与野党の足並みがそろっている上に、バイデン次期大統領は2016年、このプロジェクトは欧州にとって「好ましくない取引」だと発言した経緯があるからだ。さらにバイデン氏は、最近の米政府機関への大規模なサイバー攻撃にロシアが関与した疑いがあることを巡り、同国を改めて批判している。
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1韓国・製薬会社の倉庫で火災…北朝鮮「ごみ風船」起爆装置が爆発か
KOREA WAVE / 2024年9月9日 9時41分
-
2イスラエルがガザ空爆、48時間で61人死亡=パレスチナ医療関係者
ロイター / 2024年9月9日 7時31分
-
3ロシア国内の「黒海艦隊」基地を、ウクライナ「水上ドローン」が襲撃...攻撃の様子捉えた動画が拡散
ニューズウィーク日本版 / 2024年9月8日 13時15分
-
4ファイブ・アイズ情報長官が警告する「中国ハッカーの脅威」に並ぶ、イラン組織の危険度とは?
ニューズウィーク日本版 / 2024年9月9日 6時25分
-
5伝統のカヌーでマオリの王を送る...通例から外れ、王位は「27歳の末娘」に
ニューズウィーク日本版 / 2024年9月9日 11時47分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください