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漂流する共和内「反トランプ派」=ヘイリー氏支持者、ハリス氏にも不信―激戦州の行方左右・米大統領選

時事通信 / 2024年9月24日 14時45分

 11月5日投開票の米大統領選でカギを握るのが、今年の共和党予備選でヘイリー元国連大使に投票した同党「反トランプ派」の動向だ。その数は2020年大統領選のバイデン大統領とトランプ前大統領の票差を激戦州で上回り、選挙の勝敗を決する影響力を持つ。彼らは今、トランプ氏への拒否感と、民主党のハリス副大統領への不信感との間で揺れ動いている。

 ◇期待と疑念

 17日夜、東部ペンシルベニア州フィラデルフィア郊外の町バラキンウィドの邸宅で、ヘイリー氏支持者が一堂に会するイベントが開かれた。入り口で「ネバー・トランプ」のバッジが配られ、上品な身なりの数十人がシャンパンやカクテルを片手に選挙の行方を語り合った。

 共和党団体「ヘイリー・ボーターズ・フォー・ハリス(ハリスを支持するヘイリー投票者)」が、州民主党関係者と共に催した。代表を務めるクレイグ・スナイダー氏は「トランプには権威主義の衝動があり、民主主義にとって危険だ」と、党派を超えてハリス氏への投票を呼び掛ける。

 「広く国民を大切にするハリス氏のアプローチは正しい」。参加したボブ・マドナさん(71)は、ハリス氏に一票を託すと決めた。自身は財政保守派だが、社会的弱者への分配を重視する姿勢に納得できるという。

 一方、マイク・マーコウィッチさん(79)はハリス氏を信じ切れない。「政策に関する信念を聞きたいのに、彼女はそれを避けている。美辞麗句は唱えるが、厳しい決断ができるのか」。ハリス氏は8月の党候補指名後、公約実現の詳細な道筋を語らず、メディアの取材に応じることも少ない。

 マーコウィッチさんは不法移民の増加でバイデン現政権に不満を抱いており、トランプ氏に投票する余地も残す。「トランプの人格は確かにひどい。だが、感じの悪い医者でも病気を治してくれればいい」。

 ◇行き場ない旧主流派

 ヘイリー氏を支持した共和党反トランプ派は、多くが高学歴で、治安の良い郊外に住む裕福な白人だ。「小さな政府」や自由貿易、対外関与を重視したかつての主流派は今、トランプ派の台頭によって党内で居場所を失いつつある。今月、ディック・チェイニー元副大統領がハリス氏への支持を表明し、話題になった。

 今回の大統領選で最重要州と位置付けられるペンシルベニアは、20年にはバイデン氏がトランプ氏を約8万票差で破った。その2倍に当たる約15万8000人が今年、共和党予備選でヘイリー氏に投票した。同州ミューレンバーグ大のクリストファー・ボリック教授は「極めて重要な有権者層だ」とみる一方、米国人は所属政党に忠実な投票行動を取る傾向があり、「かなりの割合でトランプ氏に『回帰』するだろう」とも分析する。

 スナイダー氏はヘイリー氏支持者の3分の1でも取り込めば、ハリス氏がペンシルベニアを制すると考える。「同じ共和党員だからこそ説得できる」。激戦7州で広告やダイレクトメールを打ち、ハリス氏の人となりや政策を紹介して疑念払拭につなげる活動を10月にかけて本格化させる。(バラキンウィド=米ペンシルベニア州=時事)。 

[時事通信社]

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