ＮＹ市長を収賄で起訴＝トルコ政府から豪華旅行―米検察

　【ニューヨーク時事】米連邦検察は２６日、トルコ政府から違法な献金や利益供与を受けていたとして収賄など五つの罪で、ニューヨーク市のアダムズ市長（６４＝民主党）を起訴したと発表した。アダムズ市長は同日、無実を主張し辞任を否定した。同市の現職市長が起訴されるのは初めて。

　起訴状によると、アダムズ氏は同市ブルックリン区長だった約１０年前から立場を悪用。市長選への違法な政治献金や総額１２万ドル（約１７００万円）超の豪華旅行の接待を受けた見返りとして、２０２１年に安全上の問題があるにもかかわらず、トルコ領事館ビルの開設を承認するよう消防当局に圧力をかけたなどとされる。

　ビルは安全性検査に不合格となるはずだったが、消防当局の職員は「従わなければ職を失うと告げられた」という。同年９月に行われた領事館の開館式にはトルコのエルドアン大統領が出席した。

　検察は記者会見で、アダムズ氏が長年にわたり汚職を隠してきたとして「市民の信頼を著しく裏切った」と糾弾した。アダムズ氏は２７日、出廷して罪状認否に臨む見通し。米メディアは２５日、情報筋の話として同氏の起訴を伝えていた。　

［時事通信社］