実態を知る「転換点に」=二重被爆者の孫、原田さん―日本被団協の平和賞・長崎
時事通信 / 2024年12月10日 5時11分
広島、長崎の双方で被爆した故・山口彊さんの孫、原田小鈴さん(50)=長崎市=は祖父の被爆体験を語る活動を10年以上続けてきた。日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞に「世界が被爆者の声を受け止め、被爆者を知る転換点になる」と期待を寄せる。
三菱重工業長崎造船所の技術者だった山口さんは1945年8月6日、出張で広島にいた。閃光(せんこう)が走ったのは、同社広島造船所へ徒歩で出勤中。顔や左半身に大やけどを負いながらも避難列車に乗り込み、同8日、長崎にたどり着いた。
翌9日、勤務先で広島の惨状を報告中に2度目の閃光を目にした。反射的に机の下に潜り、一命を取り留めたという。
2010年1月に93歳で死去した山口さんについて、英BBC放送の番組出演者が同12月、「世界一不幸な男」とジョークにし、長崎市が抗議した。「被爆の実態を知れば笑いにはできないはず」と原田さん。「世界の人に知ってもらうことが核兵器廃絶につながる」と語り、受賞を機に被爆者の苦しみを知る人が増えることを願う。
原田さんは広島に原爆を投下したB29爆撃機「エノラ・ゲイ」と、長崎に投下した同「ボックスカー」の双方に搭乗したレーダー士の孫、アリ・ビーザーさん(36)と共に核兵器廃絶に向けた活動もしている。「国や言葉が違っても共に核廃絶を発信できると証明したい」と話す。
ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領は、たびたび核兵器使用をちらつかせる。原田さんは「核の使用はあってはならない。日本被団協がノーベル賞を受賞する理由を忘れないことが大切だ」と訴える。
[時事通信社]
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