柏市で夫婦刺され死亡＝付近で火災も、知人の７７歳男逮捕―室内に争った形跡・千葉県警

　１８日午後６時すぎ、千葉県柏市高柳の民家で、この家に住む夫婦が血を流して倒れているのを近隣住民が発見した。県警によると、夫婦はいずれも刃物のような物で刺されており、搬送先の病院で死亡が確認された。直後には現場から約６００メートル離れた住宅で火災が発生し８棟が全焼。７０代男性と８０代女性が病院に搬送されたが、意識はあるという。

　県警は１９日、殺人事件として柏署に捜査本部を設置。事件に関与したとみて現住建造物等放火容疑で夫婦の知人の男の逮捕状を取って行方を追っていたところ、同県印西市内で発見し、警察官に対する公務執行妨害容疑で現行犯逮捕した。

　逮捕されたのは、職業不詳、酒巻馨容疑者（７７）。下半身にやけどを負っており、身柄を病院に移して治療している。

　捜査本部によると、死亡したのは渡来敏明さんと妻の礼子さん（いずれも５９）。敏明さんは腹部、礼子さんは胸を刺されるなどしていた。

　印西市内のあぜ道に不審車両が止まっているとの通報を受けた捜査員が１９日午後６時半すぎ、職務質問をしようと車に近づいたところ、酒巻容疑者が急発進させたために逮捕した。

　渡来さん宅の室内には争ったような形跡があったが、凶器は見つかっていない。事件前に女性の争う声が聞こえたとの情報もあった。

　事件現場は、東武鉄道高柳駅から北東約１キロの住宅地。　

［時事通信社］