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政府・日銀、企業に資本注入可能な体制準備必要=宮沢参院議員

ロイター / 2020年4月24日 18時38分

 4月24日、自民党の宮沢洋一参院議員(前税調会長)は、ロイターとのインタビューに応じ、新型コロナウイルス感染症による経済への打撃が長期化する場合、日本の基幹産業や地方経済の中核を担う企業も資本が毀損される可能性があるため、政府・日銀が一体となって資本注入など企業支援を行える体制を準備すべきと述べた。写真は2014年10月、都内で撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 24日 ロイター] - 自民党の宮沢洋一参院議員(前税調会長)は24日、ロイターとのインタビューに応じ、新型コロナウイルス感染症による経済への打撃が長期化する場合、日本の基幹産業や地方経済の中核を担う企業も資本が毀損される可能性があるため、政府・日銀が一体となって資本注入など企業支援を行える体制を準備すべきと述べた。岸田文雄政調会長にも意向は伝達済みとしており、今後、政府・与党および日銀の政策運営に一定の影響を与える可能性がありそうだ。

宮沢氏は新型コロナウイルスの感染拡大終息の時期が見えないため、多くの日本企業で業績悪化の長期化により資本も毀損される可能性があると指摘。政府と日銀が協力して優先株を取得するような仕組みの構築が必要だと主張した。

具体的な枠組みについては、既存の組織の活用、(基金のような)別勘定方式、新組織の設立など、さまざまな方式が考えられると指摘した。

一問一答は以下の通り。

──コロナショック長期化に対して、どのような対応が必要か。

「今は必要な企業に資金繰りをしっかり手当てすること以外にやることはない。コロナ騒動がある程度終息して経済が再活動するときには、おそらく企業への資本注入まで考えないと、日本経済の早期の回復が難しくなる。基幹産業もコロナの影響が長引くと痛むため、融資だけでなく資本を入れるシステムを考え始めないといけない。岸田政調会長にもそのような話をしている」

──既存の政府系金融機関などを通じた支援は不十分か。

「今後の状況次第だが、コロナの影響による企業の痛みが相当に大きい場合は、企業が嫌がるかもしれないが、(政府側が)直接株式を買う必要も出てくるかもしれない。優先株や劣後債(の買い入れ)を組み合わせて、日本経済に不可欠な企業、地方経済に不可欠な中堅・中小企業を応援しないといけない状況が続くと思っている。支援する場合は配当や自社株買いを禁じるなどのルールは必要だろう」

──企業支援のため、政府・日銀で特別目的会社(SPC)のような新組織を作る必要はあるのか。

「金融危機のときは(予防的資本注入を行った)佐々波委員会(金融危機管理審査委員会)のようなものを作ったが、もしかしたらそのようなものも必要になるかもしれない。

既存の枠組みでできるのもある。それらをどう組み合わせるのか、さらに大きな仕掛けが必要なのか、今後検討が必要だ」

──設立時期は。

「いつ活用するかは、まだ先としか言えない。しかし、検討は早めに行った方がよい。新しい機関を作るのか、すでにある機関に別勘定を持たせる可能性もある。私が話しているのは最終段階のイメージで、そこに至るまで何段階かあるかもしれない」

(竹本能文 編集:内田慎一)

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