NY市場サマリー(25日)
ロイター / 2020年2月26日 8時1分
[25日 ロイター] - <為替> 米連邦準備理事会(FRB)が新型コロナウイルスの感染拡大に対応して年内に利下げに動くとの観測を背景に、ドル指数が軟化した。
新型ウイルスの感染が拡大する中、ドルはこれまでは安全資産として買われる傾向にあった。ただ、FRBは他の主要中銀と比べ緩和余地が大きいため新型ウイルスの感染拡大を受け利下げに傾く公算が大きいとの見方が台頭したことで、ドル指数は今週に入って低下している。
ウエスタン・ユニオン・ビジネスソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「新型ウイルスの感染拡大の影響が米経済にも及ぶ可能性があることで米国債利回りが低下し、ドル高に歯止めがかかった。こうした中、FRBが景気拡大を維持するために一段の利下げを実施するとの観測が台頭した」と述べた。
CMEグループのフェドウオッチによると、FRBが6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で少なくとも25ベーシスポイント(bp)の利下げを決定する確率は78.3%となっている。
主要6通貨に対するドル指数<=USD>は0.401%安の98.939。
リスク資産から安全資産に資金のシフトが続く中、この日の米債券市場では10年債
ドルは対ユーロ
<債券> 新型コロナウイルスの感染拡大で世界的な経済成長に大きな影響が及ぶとの懸念から安全資産に資金の流入が続く中、10年債利回りが前日に続き低下し、過去最低水準を更新した。
10年債
30年債
感染が世界的に拡大する中、米疾病対策センター(CDC)はこの日、米国内での感染拡大に備えるよう警戒を呼び掛け。株式などのリスク資産から資金の流出が続く中、米国債利回りはどの年限も低下した。[nL4N2AP16W]
MUFG証券の米金利戦略部門責任者、ジョン・ハーマン氏は、感染が拡大する前から市場では今年の世界的な経済成長見通しを見直す動きが出ていたと指摘。「新型ウイルスの感染拡大が巨大なリスクオフの要因となり、見通しの下方修正が始まった」と述べた。
フェデレーティッド・ヘームスのマルチセクター戦略部門責任者、ドン・エレンバーガー氏は、「新型ウイルスの感染拡大がどこまで悪化するのか誰も分からないため、米国債は世界中の流動性を吸い込むブラックホールのようなものになっている」と指摘。「米国債市場は現在はバリュエーションではなく、安全性で動いている」と述べた。
米コンファレンス・ボード(CB)がこの日に発表した2月の消費者信頼感指数は130.7。ロイターのエコノミスト予想の132.0は下回ったものの、前月の改定値130.4から小幅に上昇した。[nL4N2AP0YD]
こうした経済指標は好意的に受け止められるが、ジェフリーズのエコノミスト、トム・シモンズ氏は、「悪いニュースを探そうと思えば、いくらでも見つかる」と述べた。
金利見通しを反映しやすいとされる2年債
<株式> 4日続落し、ダウ工業株30種とS&P総合500種は3%安となった。新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、経済への影響を巡る不透明感からリスク回避の動きが加速した。
ダウ<.DJI>とS&P500<.SPX>は4日間の下落率が2018年12月以来の大きさとなり、債券市場では米10年債利回りが過去最低水準を更新した。[nL4N2AP1IT]
S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズのアナリストによると、S&P500は4日間で時価総額が2兆1380億ドル吹き飛んだ。
この日はスペインなどでも新型ウイルスの感染者が確認され、イランでは死者が16人に増加。韓国やイタリアなど多くの国が緊急措置を強化する中、世界的な大流行(パンデミック)への不安が高まった。[nL4N2AP0ZX][nL4N2AP0NJ][nL4N2AP0JL]
米疾病対策センター(CDC)は、新型ウイルスの感染が中国以外に広がっていることを踏まえ、米国内での感染拡大に備えるよう警戒を促した。[nL4N2AP16W]
TDアメリトレードのショーン・クルーズ氏は、市場はこれまで、新型ウイルスの影響が第1・四半期だけにとどまるとみていたが、ここに来て今年上半期かそれ以降も影響が続くとの見方が大勢になっていると指摘した。
ナスダック総合<.IXIC>とS&P500は、19日に付けた終値ベースの最高値をそれぞれ8.7%と7.6%下回る水準で引けた。ダウも12日に付けた終値ベースの最高値から8.4%下落している。
S&P500の構成銘柄のうち314銘柄は高値からの下落率が10%に達し、調整局面に入った。
S&P500の主要11セクターはいずれも下落し、エネルギーなどの下げが目立った。
米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)<.VIX>は27.85で終了。一時は18年12月以降初めて30を超えた。
デルタ航空
AP通信は、国際オリンピック委員会(IOC)の委員が2020年東京五輪について、新型ウイルスの影響で開催が難しくなった場合、延期や他都市での開催よりも中止の可能性のほうが高いとの見方を示したと報じた。
マリオット・インターナショナル
マスターカード
半面、HP
<金先物> 前日までの連騰の後を受けて利益確定の売りが優勢となり、9営業日ぶりに反落した。中心限月4月物の清算値は前日比26.60ドル(1.59%)安の1オンス=1650.00ドル。前日は清算値ベースで13年2月以来約7年ぶりの高値を更新していた。
新型コロナウイルスの感染拡大をめぐるリスク回避姿勢の強まりを背景に、金相場は前日までの8営業日で106.50ドル(6.78%)上昇。この日は急ピッチの上昇の後を受けて、ひとまず利益を確定する動きが活発になった。
中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎が世界各地に拡大し、景気下押し懸念が増幅。先行きが見通せない中、「安全資産」としての金需要はなお底堅い。米連邦準備理事会(FRB)が3月の金融会合で政策金利を引き下げるとの観測が浮上しており、 市場は利下げを織り込み始めているもようだ。
<米原油先物> 新型コロナウイルスによる肺炎の拡大に懸念が広がる中で売り圧力が強まり、大幅続落した。米国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値は前日比1.53ドル(2.97%)安の1バレル=49.90ドルとなった。約2週間ぶりに50ドルを割り込んだ。5月物は1.52ドル安の50.06ドルとなった。
韓国やイタリア、中東などを中心に中国外でも感染が拡大する中、景気の冷え込みがエネルギー需要減退につながるのではないか、との見方から原油が売り込まれた。また、この日の米株式相場が米長期金利の低下などを背景に一時900ドル超下落。投資家のリスク回避姿勢が強まる中、株式と並んでリスク資産とされる原油にも売りが出た。
また、25日夕から26日にかけて官民が発表する週間石油在庫統計で、米原油在庫の積み増しが予想されていることも原油の下押し材料となった。
ドル/円 NY終値 110.18/110.22
始値 110.50
高値 110.71
安値 109.90
ユーロ/ドル NY終値 1.0879/1.0883
始値 1.0836
高値 1.0890
安値 1.0831
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 104*01.50 1.8241%
前営業日終値 103*24.50 1.8360%
10年債(指標銘柄) 17時05分 101*11.00 1.3554%
前営業日終値 101*04.50 1.3770%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*29.00 1.1851%
前営業日終値 100*24.00 1.2180%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*08.88 1.2289%
前営業日終値 100*06.63 1.2660%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 27081.36 -879.44 -3.15 <.DJI>
前営業日終値 27960.80
ナスダック総合 8965.61 -255.67 -2.77 <.IXIC>
前営業日終値 9221.28
S&P総合500種 3128.21 -97.68 -3.03 <.SPX>
前営業日終値 3225.89
COMEX金 4月限 1650.0 ‐26.6
前営業日終値 1676.6
COMEX銀 3月限 1819.1 ‐68.5
前営業日終値 1887.6
北海ブレント 4月限 54.95 ‐1.35
前営業日終値 56.30
米WTI先物 4月限 49.90 ‐1.53
前営業日終値 51.43
CRB商品指数 168.4884 ‐2.0773 <.TRCCRB>
前営業日終値 170.5657
*内容を追加しました。
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