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サービス消費、感染再拡大で需要回復後ずれ=中村日銀審議委員

ロイター / 2021年8月25日 12時15分

日銀の中村豊明審議委員は25日、オンライン形式で開いた宮崎県金融経済懇談会であいさつし、新型コロナウイルスの感染再拡大により、サービス消費のペントアップ需要が顕在化する時期がやや後ずれしたとの見通しを示した。写真は日銀本店の外観、2020年5月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 25日 ロイター] - 日銀の中村豊明審議委員は25日、オンライン形式で開いた宮崎県金融経済懇談会であいさつし、新型コロナウイルスの感染再拡大により、サービス消費のペントアップ需要が顕在化する時期がやや後ずれしたとの見方を示した。一方、金融機関などによる気候変動対応投融資は中長期的な成長期待を高める上で重要な活動だと指摘。年内に始める予定の気候変動オペが、金融機関のこうした取り組みを後押しすることに期待感を示した。

中村委員は、日本の家計の現預金残高が過去最高の1056兆円に達しトレンド対比で37兆円増加しているとの試算を示し、新型コロナワクチン接種や医療体制強化の進展などで感染症の影響が和らいでいけば「失われた消費機会を取り戻すべく平時よりも消費支出が増加することでペントアップ需要が顕在化し、経済活動が活発化することが期待される」と述べた。

経済の回復に伴って、消費者物価の前年比も緩やかに上昇率を高めていくとの見通しを示した。

一方で中村委員は、経済・物価の見通しを巡る不確実性は大きく「特に当面は、国内外で広がりつつある新型コロナウイルスの変異株などによる感染拡大の影響を中心に、下振れリスクに注意が必要だ」と述べた。

5年に1度の基準改定で物価の下押し要因となった携帯電話の通信料については、特定部門における一時的な価格変動であり「人々の中長期的な予想物価上昇率に影響を与える可能性は大きくない」と指摘。ただ、今後とも注意深く見ていきたいとした。

企業の価格設定行動については、感染症への警戒感が続くもとで値下げによる集客には限界があるほか、原材料価格も上昇しているため、「企業が値下げにより需要喚起を図る行動は引き続き広範化しないだろう」と話した。

その上で、先行きの借り入れの返済を見据え「米国で一部に見られるような、ペントアップ需要の顕在化に合わせた価格の引き上げによって、コスト増加分の転嫁を含めた採算性の改善を実現することが重要だ」と述べた。

日銀の気候変動オペについて、中村委員は「重要な一歩」と位置付ける一方、2050年までのカーボンニュートラルの実現に向け、「経済・産業・社会が変革されていくためには、巨額の民間投資が持続的に実行・回収されるエコシステムの構築が重要だ」と指摘。海外動向を適切に把握していくことが必要だと述べた。

その上で「各種施策について不断に検討を重ね、持続可能な社会の実現に向けた企業の気候変動対応を中央銀行の立場から後押ししていきたい」と語った。

(和田崇彦 編集:田中志保)

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