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ミャンマー軍政、民主活動家4人の死刑執行 国際社会から非難

ロイター / 2022年7月25日 15時12分

[25日 ロイター] - ミャンマー軍事政権は、「テロ行為」の実行を支援したとされた民主活動家4人を処刑したと明らかにした。同国での死刑執行は数十年ぶり。

4人はクーデターで権力を掌握した軍と戦う民兵を支援したとして、非公開の裁判で1月と4月に死刑判決を受けた。

報道によると、執行されたのは著名活動家のチョウミンユー氏(53、通称:ジミー)、元議員でヒップホップアーティストのピョーゼヤトー氏(41)で、両氏ともに拘束されている民主化指導者アウンサンスーチー氏に近く、6月に控訴が退けられた。

その他の2人はフラミョーアウン氏とアウントゥラゾー氏。

4人はテロ対策法と刑法に基づき起訴され、刑務所の手続きの下で死刑が執行されたという。いつ執行したかは明らかになっていない。

活動家の団体「政治犯支援協会(AAPP)」によると、ミャンマーで最後に司法上の処刑が行われたのは1980年代後半。クーデター後、治安部隊に2100人以上が殺害されたという。軍事政権は死者数が誇張されていると主張している。

軍報道官のコメントを得られていない。

ピョーゼヤトー氏の妻は、夫の処刑に関する通知を受け取っていないと述べた。他の親族からは今のところコメントを得られていない。

民主派がつくった挙国一致政府(NUG)のチョー・ザウ大統領府報道官はロイター宛ての文書で「ひどく悲しんでおり、事実ならば軍事政権の残忍性を最も強い言葉で非難する」と表明した。国際社会は国軍の残忍な行為を罰する必要があるとした。

ミャンマー国軍のゾーミントゥン報道官は先月、活動家らが原因で治安部隊以外の無実の市民50人以上が死亡したと主張し、死刑の正当性を主張していた。死刑執行は多くの国で行われているとも述べた。

しかし国際社会からは非難の声が相次ぎ、国連の専門家2人は市民に「恐怖心を植え付けるための卑劣な試み」と強く批判。

東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国のカンボジアのフン・セン首相は6月、ミャンマー国軍トップのミンアウンフライン総司令官に書簡を送り、周辺諸国の深い懸念を伝達し、死刑を執行しないよう訴えていた。

ミャンマーの人権状況に関する国連の特別報告者を務めるトム・アンドリュー氏は「ミャンマーの愛国者であり、人権と民主主義の擁護者である人々が処刑されたというニュースに憤慨し、打ちのめされている」と声明を発表した。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア部長代理のエレイン・ピアソン氏は、軍への抗議運動を鎮めることを狙ったものだ指摘。「欧州連合(EU)加盟国や米国、他国政府は軍事政権に対して、その犯罪への処罰があることを示すべきだ」と述べた。

アムネスティ・インターナショナルのリージョナルディレクター、アーウィン・バン・デル・ボルト氏は「死刑執行は恣意的な生命の剥奪に等しい。ミャンマーの残虐な人権の歴史を改めて示すものだ」と表明した。

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