ドル横ばい、予想下回るインフレ指標で一時下落=NY市場
ロイター / 2021年6月26日 6時27分
終盤のニューヨーク外為市場では、米インフレ指標が市場予想を下回ったことを受け、ドルが序盤に下落したが、その後切り返し終盤ではほぼ横ばいとなった(2021年 ロイター/Mohamed Abd El Ghany)
[ニューヨーク 25日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、米インフレ指標が市場予想を下回ったことを受け、ドルが序盤に下落したが、その後切り返し終盤ではほぼ横ばいとなった。
米商務省が25日発表した5月の個人消費支出(PCE)価格指数は、食品とエネルギーを除いたコア指数が前月比0.5%増と市場予想の0.6%増を下回った。前年同月比では3.4%上昇と、1992年4月以来、29年ぶりの大幅な伸びを記録した。5月の個人消費は前月比で変わらず。前月分は当初の0.5%増から0.9%増に上方修正された。
BKアセット・マネジメントのFX戦略部門マネジングディレクター、ボリス・ショレスバーグ氏は「きょうのデータから得られた最も興味深く際立った点は、インフレの暴走は見られないということだ」と指摘。米連邦準備理事会(FRB)の見解は現時点でおそらく正しいと述べた。
米ミシガン大学が25日に発表した6月の消費者信頼感指数(確報値)は85.5と、5月確報値の82.9から上昇した。富裕層の景気見通しが改善したことで押し上げられた。
ドル指数は一時91.524まで下落したが、終盤は91.838と変わらずで推移。
米ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は25日、来年にも利上げ条件が整う可能性があるとした上で、経済指標を注視することが重要という考えを示した。金利見通しには言及せず、金融政策は経済指標の内容次第だと強調した。
米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は25日、直近の高インフレが持続せず、今秋には多くの米国人が復職するとの見通しを示した。
米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は25日、労働力の強化と経済的包摂につながる投資は、経済成長押し上げの一助になる可能性があると述べた。
ポンド/ドルは0.33%安の1.3875ドル。
ドル/円は110.83円。前日には111.11円と15カ月ぶりの高値を付けていた。
日本の総務省が25日発表した6月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数、コアCPI)は、前年同月比横ばいだった。ガソリンや学習塾の補習教育費用などが押し上げ要因となったが、大手キャリアの新料金プラン導入などで携帯電話通信料が下落したことが相殺した。
BDスイスの投資調査部門責任者、マーシャル・ギットラー氏は「市場が目下注目しているインフレに関して、日本は完全に異端な存在だ。主要国の中で異色な日本でインフレが起きていないことが示された」と述べた。
ドル/円 NY終値 110.77/110.81
始値 110.76
高値 110.87
安値 110.49
ユーロ/ドル NY終値 1.1933/1.1937
始値 1.1944
高値 1.1975
安値 1.1927
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